髪型の流行の「廻り」が分かるまで、美容師を続けてしまった今思うこと
この記事を書いている人 - WRITER -
株)美テラシー代表
〇都内でサロン経営13年の現役美容師
○JADP認定心理カウンセラー
○健康管理士1級
美容と健康のスペシャリスト。
こんばんは、美テラシーの角谷です。
前回に引き続き、今回もサロンワーカーっぽい投稿内容で行こうと思います。
このお客様は、私とさほど年齢の違わない方で、芸能活動をしていたこともある方です。
基本は髪色・髪型ともにお客様の要望「出たところ勝負」になっています。
今回は「レイヤー、シャギーで」とお客様がオーダーしつつ、「自分、20年前も同じ内容のオーダーをしてた気がする」という話題になったので、一部始終をシェアします。
今回の髪型は懐かし新しい「廻った髪型」

顔周りを包み込むようなシャギーと、後頭部のくびれを強調する、上下のセクションで繋げない(ディスコネクト)レイヤーカットがベースです。
原型は20年前に流行した「藤原紀香ヘア(クレセントレイヤー)」とほぼ同じで、スタイリング方法やカラーデザインが今風なだけかと思います。
以下は、なんとなく私が感じてきた、髪型の流行の遷移(20年ぐらい前から)です。
- 安室奈美恵さんが火付け役で大流行した「ぺたんこストレート×顔周りのシャギーレイヤー」
- 20歳の浜崎あゆみさんがブレイクさせた「寒色系ハイトーンカラー」
- ウルフが大流行して、極限までスカスカな髪型に
- ハイトーンカラーのダメージとスカスカレイヤーで、デザイン変更不可能の髪が続出
- 美容業界全体で、「重めの髪型」を提案する流れができる
- ロングヘア&エクステの流行。主婦の人まで高価なエクステが流行り、「エクステ貯金」をする人も出現
- 同時期に、コテで巻くスタイリング法と、デジタルパーマが大流行
- その後10代の学生の間で、髪が多い人でも全く減らさない、鉄球のように重い「激重ボブ」が流行
- 激重から「重軽」にバランス調整する流れができる
- カット技法簡略化の影響もあり、「切りっぱなし」の髪型が浸透
- インターネットの発達により、一つの髪型が流行るというよりも、髪の長さ別で「流行りが並走」する文化に
- アジアの流行発信地が、日本よりもIT化の進んだ中国・韓国に移行中
- 日本よりも強力なブリーチを使える、韓国のハイトーンデザインカラーが逆輸入される
書き出せばキリがないので、このぐらいにしておきますね。
ヘアケア技法やカラー剤の進化もあり、この20年で表現できるデザインの幅は大きく広がりました。
カット技法に関しては、どうでしょうか。
私はレザーも削ぎもバリカットも使いますが、削ぎ方やライン出しのさじ加減が変わるだけで、基本は昔と大きく変わっていないような。
インターネットの普及で情報源が爆発的に増えたこともあり、今となってはオリジナルの流行など、もう生まれないような気がします。
真新しく見えるものでも、既存の何かと何かの掛け合わせで作られている感じと言いますか。
街中でどんな色の髪を見かけても驚かないので、そういう意味ではつまらないかもしれませんね。
ちなみにこのお客様は派手な髪色をすることが多いので、知り合いに「その髪、ウィッグ?」とよく聞かれるそうです。
ガングロギャル時代を歩いた方でもあるので、派手好きなのは何歳になっても変わらないようで。
このお客様と話していると、人目を気にしてなにかをやる・やらないと考えるのがバカらしく思えてきます。
自分の本心が発する感情に素直な行動をする人は、自分の人生を楽しめる人なのだなと。
私はというと…責任感や義務感で動くことが多いので、生きるのが下手な人間だと思います。
おそらくは、自分の心を自由にするのが、あまり上手ではありません。
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〇都内でサロン経営13年の現役美容師
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