私が好きな小説①村上春樹 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』

こんばんは、美テラシーの角谷です。
今回は、私の趣味である「読書」絡みで、お気に入りの一冊をご紹介します。
「美容師なのに小説読むの?」と言われるのですが、美容師が小説読んだって、構わないじゃないですか笑
むしろ小説は活字だけの世界からイメージを創出する必要がありますから、美容師が想像力を鍛えるのに一番良い方法かもしれませんよ。
第一弾は村上春樹さん不朽の名作『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』についてのアウトプットをします。
小説アウトプット『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』
よくビジネス本では「インプットとアウトプットをセットで行うことで、ノウハウを自分のものにできる」と言われます。
ノウハウを学ぶ=理論を学ぶなので、使う脳の領域は思考を司る「左脳」がメインです。
それに対して小説は、イメージする力をフルに発揮しながら読むので、「右脳」を積極的に使いながら活字を読んでいることになります。
なので私は書評という形ではなく、浮かんできた抽象的な言葉を「小説アウトプット」と名付けて書き綴ってみようかと。
この「小説アウトプット」だけを読んでも、本の具体的な内容(いわゆるネタバレ)は全くわからないと思います。
名前のない、空想だけが描く無限の世界観
生まれる前からこの世界を見ていたし、咲いている花の名前は知らなくても、その香りだけは鮮明に覚えていた。
無限に繰り返される法則性を、美だと認識する傾向があったようだ。
そのくせなぜか、いびつなバランスの存在を、より魅力的だと感じる性質がある。
不完全な人間の微細な特徴へ、私の視線はいつも引き寄せられていた。
そして私はいつの間にか、名前がない都市へ好きな名前を付けている。
この世界には終わりのない水平線があっても良いし、西から上る太陽があっても構わない。
全ての事象は、自分の感覚が選んで決めている。
ここに決めごとなど何もないのに、私はいつの間にか鮮明なビジュアルを創っていた。
この人の年齢はわからないし、どのぐらい美しいのかもわからない。
自分がおのずと定義付けた「キレイ」「変」「奇妙」「悲しみ」そんな感情が入り乱れる。
私の中の、モノサシが意味をなさなくなっていく。
同時に、点と点がつながり円を成し、やがて球体を描く。
調和という名の球体が出来上がった。
それはとても地球によく似た存在で、不可思議な生命体が躍動感を放っていた。
迷宮に入りたいのは、好奇心を捨てられないから。
迷いや焦り、恐怖が寄り添ったとしても、この目で見て確かめてみたいことがある。
全ての存在は、幻想から作られたのかもしれない。
臨場感の高い幻想世界は、現実とのボーダーを限りなくあいまいにする。
もう、なにがあっても構わないんじゃないかな。
誰かにとっての必要があって、この世に存在するものだと思うから。
旅に疲れたら、いつでもあの人が迎えてくれる。
全てを選ぶことに疲れたら、すべてをゆだねて脱力する。
たとえ世界が終わっても、想像する力は失われない。