私が好きな小説④著者:平野啓一郎『マチネの終わりに』
この記事を書いている人 - WRITER -
株)美テラシー代表
活動名:Hazime
〇都内でサロン経営12年
〇SEO集客コンサルタント
〇日本で唯一のミソフォニア専門家
美容情報の発信のほか、ビジネスコンサルタント業、セミナー講師業などをしております。
こんばんは、美テラシーの角谷です。
今回は『マチネの終わりに』で小説アウトプットをさせていただきます。
この作品は映画化もされているので、ご存じの方も多いのでは?
原作はストーリーが「長い」ことで有名で、確かに読み応えがある長編の大作でした。
美容室のお客様には「このへんは読まれると恥ずかしいので、読まないでください」とお願いしてるんですが、逆に読もうとします…。
「男の人なのに、感情的なアウトプットしてて驚きました」と、なんとも不思議な感想をいただき、また複雑な気分に。
それでは、今回もご興味ある方だけご覧ください。
小説アウトプット『マチネの終わりに』
胸を締め付け続ける苦しさは、もはや愛の残像を残した悲哀。
運命は二人を拒み続け、言葉のない旋律だけが無限のような隔たりをかろうじてつなぐ。
誰しも、心を託せる場所があってこそ強くいられる。
どんなにか細い糸であろうとも、心のつながりを信じ続けることでしか自分を保てない。
他人にくべた優しさという名の薪は、あきらめようとする自分を温め続ける。
大切にしたいものも、生きたい未来像までもが一致していた二人。
でも意地悪な運命は、二人に全く別々の幸せを与えようとする。
手放すことができない幸せに縛られても、あきらめきれないもう一つの幸せが涙を流し続ける。

誰かが不幸になると知っていながら、もう一度思い描いた道へと戻れる?
お互いが、たった一人に言いたい言葉を伝えられなくて、多くの人から賞賛を浴びている。
賞賛と栄光のシャワーは、また動き出そうとする素直な本心へ蓋をしてしまう。
自分を壊すまで他者に愛を与え続けた二人は、最後のひとかけらになってからようやく再開を果たす。
遅すぎた再会は、二人にすべてを受け入れつつすべてを捨てる覚悟を求める。

どんな瞬間でも、心の中にはあなたがいた。
あなたがいる心のままで、過酷な宿命を受け入れてきた。
もう逃れられない宿命には抗わないし、これも自分だと認めながら歩く。
きっと二人はわかっている。一番苦しい道を選ぶことこそ、心願を叶えるために残された唯一の道だと。
これできっと最後のチャンスだから、重すぎる過去をお互いに手渡してみよう。
きっとお互いにとって重さとは、かけがえのない価値を持つ存在だから。
互いに貫いてきた孤独と美学、貢献と純情を等価交換することで、きっと新たな情熱へと昇華する。