復元ドライヤーの胡散臭い効果は嘘実織り交ぜ。デメリットは復元ドライヤー5つ・低温ドライヤー共通デメリットも5つある!

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[su_box title=”復元ドライヤーに関するお悩み相談” box_color=”#937e8e”]髪がものすごく傷んでいるので今すぐにでも何とかしたくて、ネットで評判の良かった復元ドライヤーを購入してみました。

実際に復元ドライヤーを使ってみると本体の重さや風のうるささにびっくりしましたが、一応問題なく使えています。

おまけに肩こりやバストアップ、顔やボディラインを引き締めてくれる効果まであると書かれていました。

でも復元ドライヤー自体が超重いのでそこまでやる気になれず、嘘なのか本当に効果があるのか分からないままです。

復元ドライヤーは速乾性もあるとの話でしたが、私の場合は以前使っていたドライヤーとの違いがイマイチ分かりません。

暑がりの私にとって風が熱くない低温ドライヤーはありがたいのですが、期待していたようなヘアケア効果があまり感じられないので、その理由と復元ドライヤーのデメリットも知りたいです。[/su_box]

各社から低温ドライヤーと呼ばれるドライヤーが発売されており、その中でも注目度が上がっているのは復元ドライヤーという製品です。

その他に有名な製品はリュミエリーナ社の「レプロナイザー」や髪美人育成プロジェクト社の「ヒートケア60低温ドライヤー」など。

髪のたんぱく質が熱で傷む温度は60度以上だという理論もあれば、75度以上だという理論の両方が見受けられます。

一見それよりも低温の風を使って乾かすのが正解に感じますが、低温の風しか出せないドライヤーならではのデメリットも存在するのです。

今回は復元ドライヤーと他の低温ドライヤーが抱える共通のデメリット、低温ドライヤーに付随すると謳われているやや胡散臭い効果の実態について解説します。

目次

復元ドライヤーが持つ特有の5つのデメリット

まずは低温ドライヤーの中でも比較的お手頃な価格帯で、顔や体にまで良い効果が及ぶとされる復元ドライヤー特有のデメリットについて触れておきます。

数ある低温ドライヤーの中で最も多くの使い方と効果があるとされている、復元ドライヤー特有のデメリットは以下に挙げた5つです。

  1. ごつい見た目と、それにふさわしい重量感・音のうるささがある
  2. 正規品を購入したい場合は、導入しているサロンでしか購入できない
  3. コードの長さは業務用ドライヤーの標準的な長さ
  4. 生育光線による数々の効果は、原理の実証が困難
  5. 肩こりやリフトアップなど、身体に対する効果は他のドライヤーでも得られる

ごつい見た目と、それにふさわしい重量感・音のうるささがある

復元ドライヤーの715gという本体重量は、私が愛用しているダイソンドライヤーをしのぐ重さ

ダイソンドライヤーは構造上、重心が下のほうにあるので重さのわりに手首は楽なドライヤーです。

それに対し、復元ドライヤーの形は一般的なドライヤーとほぼ同じ。

上のほうに重心があって、なおかつダイソンドライヤーよりもさらに重いとなると、腕と手首の疲れが大きな負担になります。

なお復元ドライヤーに限らず、ドライヤーはモーターが内蔵されている製品の特性上、風量があるドライヤーほど音もうるさくなってしまうのは回避しにくい問題点です。

正規品を購入したい場合は、導入しているサロンでしか購入できない

復元ドライヤーの正規流通ルートは、美容室やエステサロンなどの導入店舗のみ。

インターネットで購入できる復元ドライヤーは、いわゆる横流しからの非正規流通品です。

偽物が出回っているという口コミも出回っている模様ですが、復元ドライヤーの流通方式に厳しい規制が設けられている影響で、非正規流通品と偽物の意味を混同したことで生じた誤解だと思われます。

(なお、メーカーが業務提携している企業に製品のインターネット販売を「禁止」することは、独占禁止法に違反するという消費者庁の事例が出ています)

コードの長さは業務用ドライヤーの標準的な長さ

復元ドライヤーのコードが長いことに対して使いにくさを感じている購入者も多い様子。

もっとも3mというコードの長さは、美容院で使われる業務用ドライヤーの標準的な長さです。

一般的な市販ドライヤーのコードは1.5mが標準の長さなので、コードの長さが邪魔に感じる人の感覚も理解できます。

生育光線による数々の効果は、原理の実証が困難

復元ドライヤー最大の売りは、遠赤外線のなかでも生育光線が放射されることによって得られる多くの効果。

少し専門的な内容になりますが、遠赤外線工学の分野で「生育光線」と定義されているのは遠赤外線の中でも波長の短い3-30μmの領域に当てはまる遠赤外線のことです。

波長の短い遠赤外線=電磁波そのもの

実のところ遠赤外線(見えない領域の光線)そのものが電磁波に該当するので、それをカットするフィルターが内蔵されている復元ドライヤーの製品構造には矛盾を感じます。

肩こりやリフトアップなど、身体に対する効果は他のドライヤーでも得られる

そもそも短波長の遠赤外線は、多少の波長領域の差こそあるにせよ、現在流通している主要なドライヤーほぼすべてから出ているものです。

復元ドライヤーが言及するボディへの様々な効果は温熱作用によるものなので、他のドライヤーでも同様の効果が得られます。

復元ドライヤーと他の低温ドライヤーが抱える5つの共通デメリット

復元という魅力的な言葉は、髪の傷みがケアする期待を膨らませます。

髪が熱によって傷むのは紛れもない事実ですが、高温の風も使えないとできない5つのことが低温ドライヤー全てに共通するデメリットです。

  1. 髪の傷み予防対策に「吹き出し口の温度が60度」である必要はない
  2. 低温(60度以下)の風しか出せないドライヤーは、ブロー効果が得られない
  3. わざわざ低温ドライヤーを購入しなくても「低温ドライ」はできる
  4. 色々多機能なドライヤーは、その分「重くなる」
  5. 風量は強いほうが早く乾くけれど、高熱も使えたほうが良い

髪の傷み予防対策に「吹き出し口の温度が60度」である必要はない

ドライヤーで髪が傷まない温度については60度~75度という意見の振れ幅が存在します。

なお確実に判明しているのは120度のストレートアイロンが直接当たった髪は、表面温度が80度まで上昇するということ。

つまり、一般的なドライヤーの吹き出し口から出る110度前後の風をゼロ距離で当てたとしても、髪自体の温度は80度未満にしかならないのです。

例えば吹き出し口が90度のドライヤーをゼロ距離で当てたとして、髪自体の温度は75度前後になります。

低温(60度以下)の風しか出せないドライヤーは、ブロー効果が得られない

髪の形を変えて固定したり、気になる表面のアホ毛をならすためには少しの時間でも髪に高温を当てる必要があります。

吹き出し口が60度以下にしかならないドライヤーではローによるセットの効果が得られないのです。

わざわざ低温ドライヤーを購入しなくても「低温ドライ」はできる

一般的な高温も出せるドライヤーには、もれなくと言っていいほどぬるい風も出せる機能が備わっています。

要するに、高温の出せるドライヤーは低温ドライも可能だということです。

色々多機能なドライヤーはその分「重くなる」

ドライヤーに求められる必須の機能は二つあり、風量と温度設定の変更ができることです。

マイナスイオンなどその他の機能はあくまで付加価値。風を当てるだけで傷んだ髪が復元されたら面白いですが、風の力で髪内部のダメージホールは埋められません

色々な機能を搭載するほどドライヤー本体の重量は重くなるので、欲しい性能と重さをよく検討して購入しましょう。

風量は強いほうが早く乾くけれど、高熱も使えたほうが良い

美容師が共通して持っている「ドライの常識」はまず最初に風の力で水分を吹き飛ばし、ある程度乾いてから熱で髪の形を整えるという内容。

前の項目でもご説明した通り、髪の形をクセづけるためにはある程度の高熱は必要です。

水分を含んで重くなった髪は、強い風圧を使って動かすことでドライのスタートダッシュが加速します。

最後まで強風のままだと髪が散らばってまとまらないので、髪がある程度乾いたら風量弱め・温度高めの風に変えてから最後に冷風でフィニッシュが理想的です。

まとめ

低温の風で乾かしたほうが髪にやさしいのは事実ですが、それだけだと低温ドライヤーでないとダメな理由としては弱く感じます。

なぜなら一般的な温度のドライヤーでも「低温ドライ」が可能だからです。

一般的なドライヤーなら、ほとんどの製品は熱風と温風・冷風3つ以上の温度変更ができる仕様になっています。

ドライヤーを選ぶときは、迷ったら以下に挙げた2つの機能だけを見てください。

  1. 濡れた重い髪を動かせる、強い「風圧&風力」がある
  2. クセを伸ばす・髪の傷みを減らす・髪のブロー効果を得るために「低温と高温の両方」が使えること

いわゆる「マイナスイオン」に期待できる効果は、せいぜい静電気を抑える程度の効果です。

マイナスイオンの出るドライヤーを使って、一時的に髪がサラサラになる効果が得られても、髪の傷みは何らかの毛髪構成成分(アミノ酸類など)を補給しない限りは、回復しません。

特に、くせ毛を伸ばすためにはある程度の「高温」が必ず必要になるので、低温ドライヤーとコテを併用するなど、使い方で知恵を使うようにしてみましょう。(低温ドライヤーを使って、高温のコテを使う矛盾は残りますが…)

いずれにせよ、風の力だけで髪のダメージは良くならないですから、最優先で必要なのは補修成分を髪の中に補給することです。

最後にもう一度、今回の内容をまとめます。

  1. 濡れた髪を動かして「速乾」の効果を得るためには、風圧と風量が必要
  2. ドライヤーの吹き出し口の温度=髪の温度ではない
  3. マイナスイオンと生育光線の効果は、客観的に実証する方法が確立されていない
  4. ブロー効果(熱によるクセ伸ばし&形付け+艶出し)を得るためには、「髪の表面温度」が最低70℃必要

美容製品において、キャッチコピーと実際の効果は一致しないことの方が多いです。

髪の傷み方や髪質に個人差があることに加え、製品の使いこなし方が難しい場合もあります。

そもそも、髪が元々サラサラの人は3,000円のドライヤーでもサラサラに仕上がるわけですから、ドライヤーにヘアケア効果を求めすぎないことが大事です。

  1. 大風量&風圧によるドライ時間の「時短」効果
  2. 重くない&うるさくないという「使いやすさ」の効果
  3. 壊れにくさ、保証の手厚さといった「製品品質」
  4. 髪の形を操作しやすくするために、「温度の使い分け」ができること

これら4つの基準でドライヤー選びをすれば、あなたの髪にピッタリのドライヤーが選べるようになります。

総合的に見て「復元」という紛らわしい表現を、販売側が意識的に利用している感じは否めませんね。

個人的に事実誤認を誘発させる売り方は大嫌いです。

 

 

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この記事を監修した専門家

角谷滉一

  • ヘアケアマイスター1級
  • 健康管理士1級

都内の美容室『Re+(リプラス)』を運営する、管理美容師。美容と健康のスペシャリスト。専門知識のくわしさと洞察の深さに、業界内でも定評がある。

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