基礎化粧品の効果がない理由と、たった一つの重要なこと

お肌の悩みに対して基礎化粧品の効果が感じられない理由はとても簡単で、効果が出るほど有効成分を配合していないからです。
逆に言うと、効果がある基礎化粧品とは、効果が出るまで有効成分の濃度を上げたものということになります。
私は美容業界に携わって18年になりますが。「髪と肌に本当に効くものは何なのか」ということを模索してきました。
そして長年美容業界に携わっているからこそ知り得たことですが、基礎化粧品を発売している化粧品メーカーは「わざと物足りなさを感じさせる基礎化粧品」を作っています。
あなたは基礎化粧品を使って、本当に肌が良くなりましたか?
こう聞かれたらあなたはどう答えるでしょうか。ここでさらに「継続的にお肌の状態が良くなり続けましたか?」と聞かれたらどう答えますか?大半の方の答えはノーなのではないでしょうか。
ではなぜそうなるのかというと、「満足させきらない基礎化粧品を作るのがビューティービジネスの裏の常識だから」です。
ある製品開発者の方は、それについて「お客さんに階段を登らせる」という表現を用いていました。
例えばSK〇であれば、最上位のシリーズに誘導していくのがビューティビジネスの常識だということです。
どの大手化粧品メーカーもたくさんの基礎化粧品のラインナップを発売していますが、それでは下位シリーズの基礎化粧品と上位シリーズの基礎化粧品の明確な違いとは何なのでしょうか?
基礎化粧品の値段の違いは「有効成分の濃度」
本題に入る前に、基礎化粧品が何から作られているかということについて簡単にご説明しておきます。
- 水
- 有効成分を抽出するために使った溶剤
- 油
- 乳化剤
- ポリマー剤
- PH調整剤
- 有効成分(保湿成分など、肌悩みへの有用成分)
- 香料
化粧水や乳液など、形状や仕上がりのしっとり感なとで、油分やポリマー剤などの配合比率が変わります。
でも実は、一本一万円以上する高級化粧水でも、有効成分はほんの一滴しか配合されていません。
つまり、それより下位に設定されている基礎化粧品のシリーズには、一滴未満の有効成分しか配合されていないことになります。
しかし基礎化粧品の上位シリーズと下位シリーズの差とは、実はその有効成分の濃度の違い、ただその一点だけなのです。
基礎化粧品にわざと有効成分を少なく配合する理由
どうしてこのような差を付けるのか?とあなたは疑問に思うかもしれません。でも、すこし考えてみて下さい。
下位シリーズの基礎化粧品を使って物足りないと感じた場合、上位シリーズの基礎化粧品に乗り換えれば満足できるのかな、と思いませんか?
つまり基礎化粧品を販売しているメーカーは、そのようにあなたに感じさせるように仕向けるようにして上位シリーズへの階段を上らせるというのが、ビューティビジネスの裏の常識なのです。
しかも、有効成分の配合量を少なくしておけば、上位シリーズの基礎化粧品の上に、更に上位シリーズを作ることも可能になります。
あなたも目にしたことがあるかもしれませんが、有効成分の配合量をセーブすることで、例えば「従来製品より有効成分1.5倍配合」などと謳うことができます。でも実際には、有効成分が一滴から1.5滴に増えただけです。つまり、有効成分の配合量をケチっていれば、いくらでも上位シリーズを作ることができてしまうことになります。
もちろん価格は青天井につり上がっていきますが、実際にお金がかかっているのは宝石箱のように美しいパッケージと、肌のきれいな女優さんやモデルさんを起用する際にかかる莫大な広告費用です。
好まれる「肌のしっとり感」は、主に「油分」の効果
肌を触った時に感じる「しっとり感」とは、主に配合されている油分が生み出す感触です。
例えばヒアルロン酸が配合された、トロリとしたテクスチャーの化粧水や美容液は、とても保湿効果が高そうな感じがしますよね?
でも実際にヒアルロン酸の高純度原液を肌に直接付けると、仕上がりはサラサラの肌で、しっとり感は一切感じません。つまり、この場合はポリマー剤などがしっとり感を与えていることになります。
ヒアルロン酸は自重の600倍の保水力があるという成分特性から連想されるイメージの由来で、みずみずしくてしっとりとした肌になるというイメージを連想すると思いますが、実際は真逆の肌に仕上がります。
若い時から効果が高い基礎化粧品を使っても、肌に悪い影響はないのか
よく20代の時から良い基礎化粧品を使っていると、30代になってから効果がなくなるといった噂も耳にしますが、根拠のない迷信です。
25歳はお肌の曲がり角と言われますし、あなたにもそれを実感した経験はあると思います。では25歳で何が起こるのかというと、肌でセラミドが作られなくなる年齢です。
つまり、性別は無関係に25歳以降の人は常にセラミド不足で、セラミドにに飢えたお肌になってしまい、いわゆる肌の「インナードライ」の状態を引き起こします。
セラミドのことはあくまで一例ですが、加齢によって減少していく生体成分を十分に補給してあげることで、本来ならばもっと効果を感じられる基礎化粧品を作ることは可能です。
ただし、一般的なメーカーはそういった基礎化粧品を作りたがりません。本当に肌の悩みが解消する基礎化粧品を作ってしまったら、上位シリーズを売ることができなくなってしまうからです。
まとめ
基礎化粧品ジプシーを続けている方には、今回は少しショッキングな内容の記事だったかもしれません。
現在は高純度の有効成分の原料一滴=一万円以上の市場価値ということになっていますが、市販されているメーカーの製品がそのような相場を作っているだけで、本来の原料一滴の原価はもちろんそこまで高価なものではありません。
とりあえずあなたが知っておいたほうがいいと思うことは、以下の4つです。今後の基礎化粧品選びの判断材料になれば幸いです。
- しっとり感=油分とポリマー剤の感触
- SK○などの上位シリーズの基礎化粧品の有効原料成分の配合量は「一滴」
- お金がかかっているのはパッケージと広告費用
- お肌の曲がり角は、肌でセラミドが作られなくなる年齢