体臭とは自分ではなかなか気が付きにくいものですが、接する人に不快感を与え続けるため、人間関係に悪影響を及ぼすこともしばしば。体臭を引き起こす原因も場所も様々で、それぞれによって効果的な対処法は異なります。
一般的な消臭対策を施しているにも関わらず体臭が消えない場合は、原因と対策がズレているか、対策をするタイミングに問題がある可能性も。
私は美容師という職業柄、ゼロ距離での接客が基本となるので、体臭には人一倍気を遣う必要性が高い職業です。今回は長年の美容師生活の中で編み出した、即効性がある体臭の消臭法をご紹介していきます!
体臭が気になるぐらい強くなる6つの原因
誰しも無臭ではないので、ある程度の体臭はあるのが普通。気にしすぎるのは精神衛生上良くないことですが、周囲に不快感を与えるほどの体臭はあなたにとっても不利益となるため、何らかの対策が必要です。
まずは気になる体臭の種類と6つの原因を知って、効果的ではない消臭法をやらないための前提知識を深めましょう。
- 脇と足、鼠径部、肛門周辺、太ももの上は汗と細菌が臭いの原因!
- 思春期になって出る体臭はホルモンの影響!
- ダイエット中の体臭はストレスとケトン体によるもの!
- 体臭を誘発しやすい食べ物がある!
- 普通の歯磨きだけでは口臭予防に不十分!
- 頭部の臭いは主に皮脂が原因!
脇と足、鼠径部、肛門周辺、太ももの上は汗と細菌が臭いの原因
汗そのものは無臭ですが、汗と皮膚表面にあるケラチンタンパク(いわゆる「垢」に含まれます)を栄養源として、バクテリア(細菌)が繁殖することで体臭を発生させます。
特にアポクリン腺(大汗腺)という脂質を含んだ汗の出る腺が多い脇や足、鼠径部、肛門周辺、太ももの上部は汗と細菌による体臭が発生しやすい傾向です。
思春期になって出る体臭はホルモンの影響
思春期になると、アンドロゲンと呼ばれる体臭の元になるホルモンの分泌が活発になります。そのため、思春期以前には感じられなかった体臭を中学生~高校生になって感じるようになり、自分のニオイに悩む人が増えるのです。
ダイエット中の体臭はストレスとケトン体によるもの
ストレスによって内蔵の働きが弱くなると、その影響でニオイのある汗が出やすくなる傾向です。ダイエットで糖質制限をしていると、ブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源として使われる、脂肪酸が分解されてできるケトン体という物質が、独特の体臭を放つ原因物質になります。
体臭を誘発しやすい食べ物がある
酸性食品に分類される肉や卵の他、酸化しやすい油分の多い食品、ニンニク、カレー、タマネギなど臭いの強い食品が毛穴からしみ出て体臭を引き起こすことがあります。
普通の歯磨きだけでは口臭予防に不十分
毎日丁寧に歯磨きをしていても、歯の隙間、歯の根元の側面、舌など、通常の歯ブラシによる歯磨きだけではどうしても不十分になってしまう場所ができてしまいます。
頭部の臭いは主に皮脂が原因
人間の皮膚の中で最も皮脂腺が多いのは頭部で、特に前頭部から頭頂部までのエリアは鼻から出る皮脂の2倍の皮脂が分泌されます。酸化した皮脂の臭いとともに、汗によるムレとバクテリアの繁殖が相まって頭部は臭いを出しやすいのです。
汗と細菌による脇や足などの臭いを効果的にすぐ消す4つの方法
他人に不快感を与えたり、自分でも気になるほどの体臭になってしまうのは主にバクテリアの繁殖によるもの。バクテリアを皮膚で繁殖させないためには、バクテリアの栄養源(水分、脂質)を断つか、バクテリアそのものを殺菌することです。
ではどのようにすればバクテリアを繁殖させないようにできるのか、具体的な4つの対処法を解説します。
- 制汗剤を使うタイミングは朝ではなく「夜」
- 家にあるもので簡単に作れる2種類の体臭防止ローション
- なるべく通気性が良い素材の肌着を着用する
制汗剤を使うタイミングは朝ではなく「夜」
多くの人が朝のお出かけ前のタイミングで脇に塗ることの多い制汗剤。ですが、体臭を防ぐために効果的なタイミングは夜、つまり寝る前に制汗剤を使うことです。
朝に制汗剤を使うと、その後にかいた汗によって制汗剤の成分が洗い流された状態になってしまうため、昼間かいた汗に対して無力になってしまいます。寝ているときに脇や足に制汗剤の成分を効かせることで、次の日の日中も制汗剤を効果的に効かせることが出来るのです。
なお重要な内容として、汗が出るのを抑える成分と消臭する成分は別だということがあります。この「夜に制汗剤を使う」という行為は、汗が出ることそのものを抑える成分を、肌にしっかりと働かせるのが一番の目的です。
家にあるもので簡単に作れる、2種類の体臭防止ローション
出てしまった汗の臭いを消臭するには、制汗剤以外にもオキシドールを薄めた水で肌を拭くという方法が。コップ一杯分の水にオキシドールを小さじ1杯入れたものを用意し、ハンカチやタオルに含ませて拭くことでバクテリアを適度に殺菌できます。
汗を減らしてくれるのはミョウバン水
収れん作用によって汗の分泌量そのものを減らすために活用できるのが、ミョウバン水です。市販もされていますが、コップ一杯分の水にスーパーなどで手に入る焼きミョウバンを小さじ1杯溶かしたものを夜、寝る前に脇や足など、ニオイの気になる場所に塗ることで高い制汗効果を発揮します。
市販の制汗剤でも、制汗成分のメインになっているのは実はミョウバンだったりするので、知っておくと得する情報かもしれません。
なるべく通気性が良い素材の肌着を着用する
汗をかいてもすぐに乾いて、ムレを引き起こさない素材の肌着を着用するのも重要なこと。理想はスポーツウェアのような機能性素材で作られた肌着です。
口臭を長時間消せる2つの方法
普通の洗口液を使ってもイマイチ効果が感じられない人におすすめしたいのが、次亜塩素酸の配合されたマウスウォッシュです。アメリカ製の製品でややお高いのですが、Amazonでも購入できるセラブレスというラインナップを使うと、刺激はないのに丸一日口臭を防ぐ効果が持続するので驚きます。
意外と知られていない、すべての体臭に効果のある製品
60年以上市販されている製品で、サクロフィールという葉緑素が主成分の医薬品がドラッグストアで市販されています。これを飲むと、変な話ですが緑色のウ〇チが出るので、体内から口臭以外の体臭にも効いてくれる優れた製品です。
体臭を抑える生活習慣
無臭の汗や口臭ゼロを目指すためには、普段の食生活など生活習慣にも可能な範囲で気を配りたいところ。普段から私も継続できている、無理のない3つの方法をお伝えしますので、生活の中に取り入れてみてください。
- ニンニクを食べた後には、なるべく早く牛乳かりんごジュースを飲む
- 食生活に最低限の注意を置き、一日一個の梅干し
- 徹夜は体臭が出て当然!出た後の消臭に注力する
ニンニクを食べた後には、なるべく早く牛乳か、りんごジュースを飲む
私は仕事柄、ニンニク料理を控えるようにしていますが、うっかり知らずにニンニク入りの料理を食べてしまうことも。そんな時はニンニク料理を食べてから、30分以内に牛乳かりんごジュースを1杯飲むことで、その後体臭としてニンニクの臭いが出るのを防止できます。
食生活に最低限の注意を置き、一日一個の梅干し
肉や卵の食べ過ぎ、ニオイの原因になる過酸化脂質に変わりやすいリノール酸の多いオイル(ごま油など)の取りすぎには注意しましょう。それに加え、アルカリ食品の代表格で習慣としても続けやすい、一日一個の梅干しを食べる習慣がおすすめです。
徹夜は体臭が出て当然!出た後の消臭に注力する
仕事柄、徹夜を余儀なくされる人はどうしても体臭の発生を防げないことがあります。頭でしたらドライシャンプーの活用、脇や足の臭いにはオキシドール水、口臭にはセラブレスを使うなど、出てしまった体臭にばっちり効く対処法で乗り切りましょう。
まとめ
制汗剤を使う効果的なタイミングが夜であったり、次亜塩素酸の洗口液や体臭用のロングセラー医薬品など、初めて知った知識もあったのではないでしょうか?
自作する制汗剤と消臭剤も実用性とコスパ抜群なので、沢山使いたい人には市販の制汗剤よりもおすすめです。
仕事柄体臭に気を付けなければいけない人はもちろん、デート前のエチケットとしても使える内容ばかりなので、ぜひ活用してみて下さいね。