ヘアケアの時間と手間の労力を大幅にカットしてくれる「オールインワンシャンプー」。最近はその中でも、泡立つシャンプーとクリームシャンプーで2つの選択肢が存在します。
ですがまだクリームシャンプーを使ったことがない人にとっては、実際に使った場合のメリットやデメリットがイメージできないのではないでしょうか。
現役美容師の私がクリームシャンプーを実際に使ってみて感じるのは、効果が出る王道的なヘアケアよりも、時短&簡単&お得だということです。
とはいえ、普通の泡立つシャンプーにはないデメリットがあるのも確か。今回はクリームシャンプーのメリットとデメリットについて、良いことも悪いことも余すことなく解説していきます。
クリームシャンプー5つのデメリット
泡立つシャンプーを使い慣れた多くの人にとって、クリームシャンプーの使用感は慣れるまで戸惑いを感じます。実際にクリームシャンプーを使い続けて、私がデメリットだと感じるのは以下に挙げた5つです。
- 実際に使ってみるまで「ちゃんと洗えるの?」という不安が残る
- 購入できる場所が限られている
- 泡立つシャンプーより洗浄力がマイルド
- クリームシャンプーは、種類がまだ多くない
- 髪と頭皮に、何も悩みがない人にとっては高い
①実際に使ってみるまで「ちゃんと洗えるの?」という不安が残る
女性なら普段から、メイク落としなどで泡立たないクレンジングを使う人も多いと思います。それと同じ「乳化作用」で皮脂汚れも落とせますので、クリームシャンプーで洗った後の頭皮がベタつく心配はないのです。
すくなくとも、シャンプーを一切使わない洗髪法「湯シャン」よりは断然汚れ落ちが良くなります。
②購入できる場所が限られている
ドラッグストアではクリームシャンプーの取り扱いがほとんどないため、購入場所は主にネットからになります。日用品の買い物ついでにクリームシャンプーを買えないのは、少し不便に感じるかもしれません。
普段からネットショッピングを活用している人や忙しい人にとっては、家まで運んでくれるのが便利に感じるでしょう。
③泡立つシャンプーより洗浄力がマイルド
これはクリームシャンプーのメリットであってデメリットでもあるので、クリームシャンプーの一番特徴的なポイントです。
泡立たない洗浄剤(界面活性剤)はとても低刺激な反面、マイルドな洗浄力を併せ持ちます。ガチガチに固まる整髪料を使った場合は、丁寧な予洗いが必要です。
④クリームシャンプーは、種類がまだ多くない
泡立つシャンプーは数えきれない製品が売られていますが、クリームシャンプーはアメリカで先に普及しており、通称「ノープー」と呼ばれる真新しい洗髪法です。
これから先、色んなクリームシャンプーが発売されると思いますが、現状ではまだ製品数そのものが多くありません。
⑤髪と頭皮に、何も悩みがない人にとっては高い
何百円という価格帯で購入できるクリームシャンプーは売っていないので、髪と頭皮に何も問題意識がない人にとっては高く感じると思います。
実際はクリームシャンプー一つで「シャンプー・頭皮トリートメント・髪のトリートメント・流さないトリートメント」全ての効果が手に入るので、悩みがある人にとってはとても助かる内容なのです。
クリームシャンプー7つのメリット
従来の泡立つオールインワンシャンプーでは、うるおい感の物足りなさがしばしば問題となりました。(傷んだ髪だと、乾かした後の髪がパサつく・ゴワゴワするなど)
これらの問題は「ヘアケア効果が足りていない」とも言えるわけですが、クリームシャンプーは泡立たないがゆえ、以下に挙げた7つのメリットがあるのです。
- 実際は頭皮がスッキリ洗える洗浄力
- ヘアケアのトータルコストで考えると、実はかなりお得
- 真面目なヘアケアと比較して、毎日10分の時短になる
- 頭皮のフケ・かゆみ・乾燥トラブルを保湿力の高さでケアできる
- 実は脂っぽい頭皮にも効果的
- 質を落とさずに「ヘアケアの時間」をお金で買える
- 全年代に共通する3つの悩みを同時にケアできる
①実際は頭皮がスッキリ洗える洗浄力
クリームシャンプーを頭皮のヌルヌル感がなくなるまですすいだ後は、サラサラの頭皮になります。ベタベタしたり、頭皮が臭くなってしまうこともないので頭皮が適切に洗えている状態です。
②ヘアケアのトータルコストで考えると、実はかなりお得
髪と頭皮を真面目にヘアケアする場合、一つ一つのヘアケアアイテムに結構なお金がかかります。
悩みに効果的なヘアケアをしようと思ったら、シャンプートリートメントはそれぞれ1,500円以上、流さないトリートメントで2,000円以上、頭皮ローションで5,000円以上が最低ラインの相場です。
つまり質の良いヘアケアには、毎月トータルで10,000円前後のコストがかかります。クリームシャンプー1本だけの毎月4,000円以下で済んでしまうなら、相当安上がりでお得だと思います。
③真面目なヘアケアと比較して、毎日10分の時短になる
- 予洗いから丁寧なシャンプー⇒すすぎで約5分
- トリートメントで時間を置く⇒すすぎで約5分
- タオルドライして流さないトリートメントを付けるのに約3分
- 頭皮ローションを付けてのマッサージに約5分
- ドライヤーで乾かすのに10分~(髪の長さによる)
ザっと見積もっても、最低30分の時間がかかっています。同じ水準の効果を得るために、クリームシャンプーをつかった場合では以下の通りです。
- 予洗いから丁寧なシャンプーで約5分
- そのまま毛先までクリームシャンプーを伸ばして5分放置
- タオルドライ⇒ドライヤーで10分~(髪の長さによる)
少なく見積もっても、クリームシャンプーは10分以上の時短になるのが分かります。使用アイテムの少なさ=手間の少なさですし、毎日-10分は一週間で70分、1か月で280分=4.6時間もの時短になるのです。
実際には髪が長い人ほど一つ一つの動作に時間がかかるため、クリームシャンプーによる時短の恩恵がますます大きくなります。
④頭皮のフケ・かゆみ・乾燥トラブルを保湿力の高さでケアできる
多くの人は「頭皮を保湿する」という意識そのものを持っていないのでは?と思います。
少し考えてみると、顔は洗顔して何もつけないのがあり得ないのに、頭皮を洗いっぱなしで終えてしまったら、当然乾燥トラブルが起こりやすくなってしまいますよね。
頭皮を保湿するには、別で頭皮用ローションを用意するのが一般的です。クリームシャンプーは持ち前の保湿力によって、頭皮用ローション不使用でも頭皮の乾燥トラブルを防げます。
⑤実は脂っぽい頭皮にも効果的
頭皮がベタつく=洗い不足だから脱脂力の強いシャンプーで洗わなければ、と考える方が多いと思います。ところが皮脂の過剰分泌は、頭皮の水分不足を皮脂で補おうとして起こるのです。
クリームシャンプーで頭皮を保湿しながら洗い続けると、むしろ皮脂でベタつく頭皮を洗いすぎたことに起因する「頭皮のインナードライ」を解消することができます。
⑥質を落とさずに「ヘアケアの時間」をお金で買える
従来の泡立つオールインワンシャンプーは、髪のダメージケア効果不足の問題を解決できませんでした。オールインワンのシャンプーだけで終わると、どうしても毛先がパサパサするという問題です。
オールインワンシャンプー最大の魅力は言うまでもなく「時短効果」ですが、クリームシャンプーは泡立つオールインワンよりもお値段が張る代わりに、ダメージケアの効果に妥協しない時短が手に入ります。
⑦全年代に共通する3つの悩みを同時にケアできる
年代に関わらず、女性は以下に挙げた3つの悩みを抱えています。
- 髪質・ダメージで髪がパサパサする
- フケ・かゆみなど、乾燥に起因する頭皮の不調
- くせ毛のうねり・アホ毛のボサボサ
クリームシャンプーはその高い保湿&補修効果によって、この難しい3つの悩みを同時にケアできるのです。
クリームシャンプーが向いている人は?
以下に挙げた5つの悩みのどれかに当てはまる人は、クリームシャンプーが向いているかもしれない人です。
- 髪と頭皮をしっかりと潤したいけれども、ヘアケアにかける時間が取れない人
- 効果が出る王道のヘアケアをしたい意識はあるけれど、なるべくコストを抑えたい人
- 妥協しないケア効果が欲しいけれど、バスルーム&洗面所に置くものを減らしたい人
- 難しい理屈は抜きにして、美容院でトリートメントした後の髪を毎日キープしたい人
- 普通のシャンプーで洗うと、洗浄力が強すぎてフケやかゆみに悩まされる人
クリームシャンプーの向かない人は?
美容において何を重んじるのかという、個人の髪に対する価値観が大きく関係します。以下に挙げた5つに当てはまる人は、クリームシャンプーが不向きだと思う人です。
- 市販のシャンプーを使っていて、髪や頭皮の悩みが何もない人
- 今よりきれいな髪になりたいという願望がない人
- シャンプーするなら泡立てて、髪がキュッとなるまですすがないと気が済まない人
- 髪のことに関して無頓着な人
- 髪がパサついたら切ればいいと考えている人
まとめ
クリームシャンプーは、最初の数日間で使い慣れてしまえばメリットの方が多いです。
haruシャンプーなどの泡立つオールインワンシャンプーが「シャンプー寄りのオールインワン」だとするならば、クリームシャンプーは「トリートメント寄りのオールインワン」と言い換えることもできます。
特に、クリーシャンプーが持つうるおいアップの効果は、髪のうねりやダメージで悩んでいる人、頭皮の乾燥に由来する悩み(フケ・かゆみ・赤み)がある人に大変分かりやすい効果です。
抜け落ちていることの多い、頭皮ケアが自動的にできてしまうのも大きな利点ですし、一度クリームシャンプーの良さを知った人は「もっと早く使えばよかった」と言います。