ブリーチやハイトーンのカラーリングを繰り返していると、髪が乾いた状態でチリチリになってしまうことがあります。濡れている時の髪はクタクタで、引っ張るとゴムのように伸びたり、ブツっと切れてしまったり。
そんな絶望的なダメージを負ってしまった髪でも、最新の髪質ケアの技術を用いることでケアすることが可能です!
髪が傷みでチリチリになってしまった場合、自分で治せるのか
ブリーチやハイトーンカラーの繰り返しで毛先がチリチリになってしまった場合、自分でトリートメントなどを頑張ってもケアは難しいと思います。
なぜなら、チリチリするまで傷んでしまった髪というのは毛髪の強度(髪の弾力)が著しく低下してしまっているからです。
それほど髪の傷みが深刻でない場合は、市販のトリートメントやサロン専売品のトリートメントでも効果が期待できます。
しかし、チリつきまで出てしまった場合はそれだけでケアすることは難しいです。
ですが、あきらめる必要はありません。
近年になって美容室では髪質ケアと呼ばれるメニューが登場しました。
とはいっても内容は美容室によってバラバラで、単なるシステムトリートメントを髪質ケアと名乗って売り出している美容室もあるので、判断の難しい所です。
髪質ケア技術の中でもその効果が安定しており、胡散臭くない方法としてある種の「酸」と「アイロンの熱」を使って毛髪強度の回復まで行えるものがありますので、解説していきます。
急速に普及し始めている、最新の髪質ケア技法
以前にもアイロンと熱を活用する髪質ケアの技術がありましたが、それは別の難しい問題を引き起こす技法でした。
石英(ガラス)の微粉末を高温のアイロンで髪に圧着させるという技法でしたが、繰り返すことでパーマもカラーもうまく効かない髪になってしまうという問題だらけの技法でした。
近年になって認可が下りて、普及してきたのはグリオキシル酸と呼ばれる成分を使った髪質ケアです。
他にも現時点で使われている成分として、
- グリオキシル酸と他の酸の組み合わせ
- サリチル酸を用いるもの
- レブリン酸を用いるもの
などが流通しています。
ヨーロッパの方ですでに何年も前から普及している技法ですが、日本で薬事法(薬機法)の認可が下りたのはまだ2年前のことです。
このように、外国では普及していても日本では認可が下りていない成分というのは多数存在します。
日本のこういった有用な可能性のある新しい成分に対する法律は、よく言えば慎重ですが、悪く言えば厳しすぎます。
話を戻して、現在主流で用いられているのは前述したグリオキシル酸と呼ばれている成分です。
グリオキシル酸を用いた髪質ケアの持つ5つのメリット
この成分を使った髪質ケアには、5つのメリットがあります。
- 今までトリートメントの効果が期待できなかった、ハイブリーチの履歴がある重度のダメージ毛でもケアすることが出来る
- くせ毛のうねりをある程度ケアすることが出来る
- 効果の持続期間が長い
- 繰り返しの施術でも髪の状態が悪くならない
- 施術時間が長くない
この髪質ケア法は、サロン業界では酸と熱を用いることから、「酸トリ」という呼称が定着しつつあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
ブリーチによる髪の傷みのチリチリに対するケア効果
「酸トリ」はブリーチした髪にも使用することが可能で、チリチリした形状をもとの形にケアして毛髪強度をアップせてくれます。
その効果と同時に、髪が水をはじく力(撥水性)を回復させてくれることにより、髪が早く乾くようになるという嬉しい効果が期待できます。
カラーリングと同時に施術する場合は先に髪質ケアを行うことが多いですが、順番に関してはケースバイケースです。
くせ毛のうねりを和らげる効果
今までだと縮毛矯正でしか対応できなかった髪のくせを和らげる効果があります。
どの成分を活用した「酸トリ」にもくせ毛を和らげる効果がありますが、最もくせ毛をケアする効果が高いのはグリオキシル酸タイプのものだと言われています。
髪質ケアの効果の持続期間が長い
通常サロンで行われるメニュートリートメントだと、専用のホームケアを使用しなかった場合の効果(実感できる効果)は2週間ぐらいです。
「美容室に行ってから2週間ぐらいの間は髪の状態がいいけど、それを過ぎると効果がなくなってくる感じ」がある人が多いと思います。
それに対し、「酸トリ」を使った髪質ケアの場合、平均1か月は専用のホームケア製品を使用しなくても効果の持続を実感することが出来ます。
1か月を過ぎると、毛先の引っ掛かりなど、手触りやまとまりの変化をかんじる方が多いようです。
「酸トリ」の髪質ケアの持続期間を長くする方法
通常のやり方でもノーメンテナンスで1か月という圧倒的な持続期間を誇る「酸トリ」を活用した髪質ケアですが、更に持続期間を上げるカギになるのが、「熱の入れ方」です。
つまり、施術で使われるヘアアイロンの温度をより高温にすることで、持続期間を長くすることが可能です。
「酸トリ」の髪質ケアを繰り返しても状態が悪くならない
今までに重度のダメージ毛の方に、最も多い場合で15回、1年半の繰り返しで検証していますが、それで状態が悪化するということはありませんでした。
毎回180度以上の高温のヘアアイロンを使用するので、今までのヘアケアの常識から考えると大変リスクを感じますが、実際にはこの結果です。
縮毛矯正より施術時間が短い
高温のアイロンで、縮毛矯正のように丁寧にアイロンをしていくと縮毛矯正のような仕上がりを得ることもできます。
まるでノーダメージの縮毛矯正をかけたような仕上がりにすることも可能です。
くせ毛を伸ばすのが目的でない場合の「酸トリ」による髪質ケアは、縮毛矯正の時の細かいアイロンワークと比較するとざっくり行う場合が多いです。
「酸トリ」を使った髪質ケアのデメリット
技術革新と言える性能を持つ「酸トリ」活用の髪質ケア技術ですが、現在判明しているデメリットは3つあります。
髪質ケアのメカニズムが完全に解明されていない
この「酸トリ」はまだ新しい技術&成分のため、開発しているメーカーさん自身もまだ未解明のメカニズムがあるようです。
この「酸トリ」に限らず、美容で使われる新成分というものは、往々にして「見切り発車」が行われます。
簡単に言うと、「まだよくわからないこともあるけど、早く商品化してしまおう!」というケースが多々あるということです。
ずいぶんといい加減なことだと思うかもしれませんが、新成分が出ると、メーカーさんはその分野でのナンバーワンを狙いに行きます。
検証には終わりがありませんし、実証をどこまでやるかはメーカーさんの裁量になってくるので、そのようなことが起こります。
そのため、この「酸トリ」による髪質ケアも、繰り返した結果髪がどうなるのかということや、これで髪質ケアした髪とパーマとの相性などに関してはまだまだ不明な点が多く残ります。
つまり、今後のメーカーさんの検証とサロン現場での結果が事実、ということになります。
新しい技術には、未知の可能性とリスク、両方が存在するということです。
ヘアカラーの仕上がりへの悪影響がある
「酸トリ」での髪質ケアを行った直後の髪は酸性に傾いているため、ヘアカラーがやや発色しにくいというデメリットがあります。
ブリーチにしても、他のヘアカラーにしても、通常よりも時間を長めに置く必要があります。
それに加え、ヘアカラーの発色自体にも影響があるようです。
特に主流になりつつあるグリオキシル酸を使用した場合、発色が薄くなる傾向にあるようです。
髪を濡らした時に特有の異臭がある
「酸トリ」の髪質ケアを行った直後の毛髪を濡らすと、パーマ液の残臭とはまた全く違った異臭がします。
たとえるならば、みそや醤油のような感じの匂いがするなと感じますが、人によって感じ方は差があると思います。
通常は数日で消えますし、髪が乾いている時には臭いを感じません。
でも私が施術した方で、髪を濡らすたびに2週間以上異臭がしたという方もいたので、不明なメカニズムもあります。
「酸トリ」活用の髪質ケアを黒染め修正に利用する裏技
「酸トリ」活用の髪質ケアは、その強い酸による副産物として、すでに染まっているヘアカラーの色味を褪色させる作用があります。
それを逆手にとって、黒染めされた髪に負担をかけずに明るくしたり、ホームカラーの繰り返しで、髪の傷みと色むらが出てしまっている髪の色味の修正に利用することもできます。
美容師の判断で行うことにはなりますが、裏技として活用することが出来る方法です。
「酸トリ」のより専門的な内容についてはこちらの記事で解説しています。
まとめ
- 傷みでチリチリになってしまった髪でも、「酸トリ」を活用した髪質ケアは効果がある
- 「酸トリ」に使われる成分には現在、主に4種類の酸がある
- 「酸トリ」活用の髪質ケアには4つのメリットがあるが、半面のデメリットも存在する
- まだ未解明なことが多い技術なので、今後新たなメリット、デメリットが発見される可能性は大きい
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