以前は頭皮ケアメニューのことをスカルプケアと読んだ時期もありましたが、近年ではヘッドスパという言葉が定着・普及しています。ですがそもそも、ヘッドスパとは具体的に何をすることを指すのかピンとこないという方も多いのではないでしょうか?
特にがヘッドスパが男性にとって深刻な悩みの一つである、薄毛に対して効果があるのか?という部分も関心が集まるポイントでしょう。
今回はヘッドスパの定義から始まり、ヘッドスパの種類とその違い、得られる効果について徹底解説していきます!
ヘッドスパの定義とは?
現在ヘッドスパの明確な定義というものはなく、資格があってもなくても、内容を問わずヘッドスパという言葉を謳えるのが現状。つまりヘッドスパのゴールは決まっておらず、リラクゼーションを主な目的にしたヘッドスパもあれば、育毛の効果にフォーカスを当てたヘッドスパなど、様々なヘッドスパが乱立しているということです。
そもそも、ヘッドスパという言葉を作ったのはタカラベルモント社という、医療用のリクライニングチェアーで世界的シェアを誇る日本企業。しかしタカラベルモント社がヘッドスパという言葉で商標登録を取り損ねてしまったため、美容室でも、マッサージ屋さんでもどこでもヘッドスパを名乗れるようになってしまったのです。
得られる結果に明確な違いを生むのは『シャンプー設備の有無』!
ヘッドスパの定義はないにしても、ヘッドスパで必ず組み込まれる行程はヘッドマッサージ。
- 椅子に座ったままでヘッドマッサージをするヘッドスパ
- マッサージベッドで頭以外の場所もマッサージするヘッドスパ
- 美容室のシャンプー台で行うヘッドスパ
この3つに大別できますが、いずれも頭部のマッサージが必ず組み込まれています。
そして得られる結果に最も大きな違いを生むのは、シャンプー設備の有無。頭を洗えるヘッドスパと洗えないヘッドスパでは、得られる仕上がりの結果が全く違うものになるからです。
シャンプーができるヘッドスパで得られる3つの効果
- 頭皮のベタつきや乾燥など、頭皮の油分・水分のバランスが整う!
- 育毛・薄毛ケア効果のある成分を頭皮に補給できる!
- 頭皮ケアと同時に髪の傷みもケアできる!
頭皮のベタつきや乾燥など、頭皮の油分・水分のバランスが整う!
美容院で普通にシャンプーをしてもらうだけでも、自分でシャンプーをする時よりもしっかりと皮脂汚れを落とせます。具体的には自分で髪を洗うと40%の皮脂汚れが落ち、美容院で洗うと60%の皮脂汚れが落ちるというデータです。
ヘッドスパではさらに念入りな頭皮クレンジングを行いますし、頭皮のべたつきだけでなく頭皮の乾燥に由来する悩みも解消できます。つまり、頭皮の油分と水分バランス両方を整えることで、かゆみやべたつきなどの頭皮トラブルを予防ケアする効果が見込めるということです。
育毛・薄毛ケア効果のある成分を頭皮に補給できる!
余分な汚れが残ったままの頭皮では、せっかくの育毛成分もその効果を活かせませんが、丁寧な頭皮クレンジング後の育毛は大変効果的。育毛に必要な内容は様々ですが、頭皮環境を整えながら育毛成分を与えられるのは、シャンプーを行うヘッドスパならではの利点です。
頭皮ケアと同時に髪の傷みもケアできる!
ヘッドスパは男性にも女性にも恩恵のあるメニューですが、女性は男性に比べ髪が長いため、髪の傷みもケアしたいと考えるもの。頭皮だけのケア、髪だけのトリートメントという内容のヘッドスパもありますが、両方同時のケアも可能なのです。
シャンプーをしないドライスパで得られる3つの効果
ヘッドマッサージがメインの施術内容で、シャンプーを行わないヘッドスパには、ドライスパという呼称が定着しつつあります。ドライスパが持つ利点は以下の3つです。
- 場所を選ばずにヘッドスパを提供できる!
- 頭だけでなく、全身マッサージを行うところも!
- 育毛やヘアケアよりは、お手軽なリラクゼーションとして価値がある!
場所を選ばずにヘッドスパを提供できる!
ヘッドスパ専用のシャンプー台は、良いものになると一台100万円以上もする高額なもの。その分何でもできるようになるのですが、どこでも提供できない特別なヘッドスパになってしまいます。
ドライスパでは最低限、横になれる安価なマッサージベッドがあれば良いので、初期の設備投資にお金がかからないというのが大きな利点です。水道設備や場所の広さといった環境の制約が減るので、ヘッドスパを提供できる場所の選択肢が大変広がります。
頭だけでなく、全身マッサージを行うところも!
シャンプー台で行うヘッドスパでは、マッサージベッドのように体勢を変えることが難しいため、広めの施術範囲でも肩回りやデコルテ周辺までに限定されます。一方ドライスパでは仰向けでもうつぶせでも、自由な体勢で施術可能なため、全身のマッサージをしてもらうことも可能です。
育毛やヘアケアよりは、お手軽なリラクゼーションとして価値がある!
髪と頭皮の洗浄が行えないため、頭皮ケアやヘアケアは行えないドライスパ。しかしアロマテラピーや落ち着いた照明、ゆったりとした音楽などで癒しの環境構築をされたヘッドスパサロンには、特別なリラクゼーションの価値があります。
頭をマッサージしてもらうだけでも気持ちが良いものですが、ちょっとリフレッシュしたい時や調子が上がらない時などに、お手軽なリラクゼーションの方法として活用できるでしょう。
2種類のヘッドスパ専門店で懸念される、3つのデメリット
これまでご説明したように、ヘッドスパにはシャンプー技術を組み込んだヘッドスパとドライスパと呼ばれるもの、2つの形態があります。それぞれでヘッドスパ専門店を名乗るお店が存在するのですが、提供される内容について、懸念されるデメリットが3つあるのでご説明していきます。
『自分で髪を乾かす』ヘッドスパ専門店は、知識の浅さが心配!
ヘッドスパ専門店の中には、時間がかかり、専門的なブロー技術が必要となる髪をドライする仕上げ工程をお客さんに任せるお店も。これはつまり、ブロー技術を持たない人がヘッドスパを行っている可能性があることを意味します。
私が美容師なので分かることですが、ブローができない技術レベルの美容師は、ヘアケアの知識はまだまだ浅い人がほとんどです。頭皮ケアとヘアケアを専門的に行うにあたり、適切な判断ができる技術レベルと深い知識を備えているのか、どうしても疑問を感じてしまいます。
『絶対眠らせるヘッドスパ』は脳が退屈して眠くなるだけ!
テレビでも幾度となく宣伝されている、『絶対眠らせる』ことにコミットしている有名なドライスパの専門店があります。実際に体験してみたのですが、施術内容としては単調にパターン化された7~8工程を淡々と繰り返していくのみ。
完全にマニュアル化されている動作なので、一度習得さえすれば素人さんでもできるような内容のドライスパでした。しかし単調なマッサージを繰り返されると、大して気持ちがよくないマッサージでも、脳は退屈して眠気を催すのです。
髪型がぐちゃぐちゃになるのが気になった
頭をマッサージされると髪はぐちゃぐちゃになってしまいますが、それをちゃんと整えて帰ることができない設備でした。わざわざ都心まで赴いて、寝ぐせの付いた頭でお店を出なければならないのがストレスだったので、髪型も気にする人は利用前に十分検討されたほうが良いでしょう。
ドライスパは、髪の摩擦ダメージの懸念あり!
乾いた髪同士が強くこすれあうと、髪には摩擦による髪の傷みが生じます。ドライスパではタオルの上からヘッドマッサージを施されることが多くありますが、髪をタオルでゴシゴシ擦られると髪に負担がかかるので、髪を傷めたくない人は注意したほうが良いでしょう。
ヘッドスパで髪がベタベタになった?
ドライスパの中には、頭皮に天然オイルを付けてマッサージを行い、そのまま洗い流さずにフィニッシュするというタイプのお店も。髪や頭皮には良い効果があるのかもしれませんが、事前の説明もなく頭がベタベタのままで帰らされてしまったら、不満に感じてしまうでしょうね。
ヘッドスパは、薄毛のケアに効果があるの?
育毛サロンで行っているプログラムの内容は、主に毛穴洗浄と呼ばれるもの。ヘッドスパはより多方面から頭皮の健康に対してアプローチをすることができます。
実際に私がヘッドスパを担当したお客様で、数々の育毛サロンで全く薄毛ケアの効果が得られなかったのに、ヘッドスパを行ったことで薄毛がケアしたという方も。薄毛の原因は必ずしも毛穴の詰まりだけではないので、まだ行っていない薄毛のケア策として、ヘッドスパを試してみる価値は十分にあると言えるでしょう。
普段通っている美容室にヘッドスパメニューがあるのでしたら、自分へのご褒美として、カットの度に頭皮をいたわってあげるのも良いかもしれませんね。
ヘッドスパの相場(値段)はどのくらい?
まだ新しいメニューのヘッドスパは内容も施術時間も様々で、相場が固まっていないのが現状です。10分1,000円という普通のマッサージと同程度の価格設定にしているお店もあれば、トリートメントや頭皮ケアにさらなる付加価値が付いたメニューとして、60分10,000円以上の値段になっているお店もあります。
あなたがヘッドスパに求める効果と、値段の価値が釣り合っていると感じるのでしたら、それが適正な相場ということになるでしょう。
まとめ
ヘッドスパにはシャンプーをするものとしないものがあり、頭皮ケアとヘアケアの効果が見込めるのはシャンプーを行うヘッドスパ。ドライスパはリラクゼーションが主な目的となるヘッドスパです。
ヘッドスパはまだ歴史が浅いジャンルのサービスなので、色々と種類がありすぎて、何が違うのかわかりにくく感じる人も多いと思います。
今回の記事の内容で、それぞれの違いを明確に記載しましたので、あなたの得たい効果が得られるヘッドスパを選べるようになりましょう!