[su_box title=”ヘアカラーの危険性についてのお悩み相談” box_color=”#937e8e”]私は長年ヘアカラーを続けていますが、最近知人から、カラー剤は危険性の高いものだという話を耳にしました。
普段美容院で毛染めをしてもらっても、たまに自分で染めても特に何も感じないのですが、続けていくと何か危ないことが起こる可能性があるのでしょうか?
私は黒く染めるのが似合わないので、安全にヘアカラーの色を楽しんでいく方法があれば、それも知りたいです。[/su_box]
現在は女性の8割近くがヘアカラーをしているので、髪を染めていない女性の方が少ないという現状です。特に白髪を放置できない50代の女性は毛染めをしている割合が最も多いと言われます。
ヘアカラーとひとことに言っても、染料の種類や髪が染まるメカニズムには、それぞれで違いがあるもの。特に危険性を指摘されるのは酸化染毛剤と呼ばれるヘアカラーですが、実はどんなカラー剤にもリスクは必ず存在するのです。
今回はカラー剤の種類による危険性(リスク)の具体的な内容と、リスクを最大限に減らし、好きな色のヘアカラーを安全に継続していくための方法を解説していきます。
そもそもヘアカラーの持つ危険性(リスク)とは?
「ヘアカラーに危険性がある」とは言っても、その危険性の内容は実に様々です。毛染めが漠然と危険ものだと思い込んでしまうのは損をするので、ここではカラー剤が持つ5つのリスクを把握しておきましょう。
- アレルギーのリスク
- 刺激の強さによる頭皮の痛み
- 脱色作用によって髪が傷むリスク
- 特定の染料による発がん性のリスク
- その他、特定染料による健康被害のリスク
①アレルギーのリスク
ヘアカラーで最も気を付けたいのが、染料によるアレルギーのリスク。ヘアカラーのアレルギーは花粉症と同様のダム理論です。
長年ヘアカラーを継続して何も起こらなかった人がある日突然アレルギーになってしまう可能性も十分にあり得ます。多くのヘアカラーに当てはまるリスクなので、最も知る必要があるリスクです。
②刺激の強さによる頭皮の痛み
髪の内部まで浸透するタイプのヘアカラーには、浸透を促進するためのアルカリ剤と呼ばれる成分が配合されています。地肌が敏感な人は、これに反応して頭皮のジンジン・ひりひりとした痛みを感じることがあるのです。
③脱色作用によって髪が傷むリスク
一般的な市販のヘアカラー・美容院のヘアカラーは脱色作用を伴う製品です。ブリーチが最も強い脱色力を持ちますが、これらは髪が傷む原因となります。
④特定の染料による発がん性のリスク
これに当てはまるもので最も有名なのは、ジアミン系と呼ばれる染料成分です。これらの染料は日本国内の法律では毛染めへの配合が認められていますが、2011年にEUでヘアカラーへの配合が全面的に禁止の措置が取られています。
⑤その他、特定染料による健康被害のリスク
ジアミン系に限らず、ある種の染料は内臓疾患などを引き起こす原因になる可能性があると言われます。市販カラーの注意書きにもその旨が記載されていますので、そういうこともあるんだ、ということは知っておく必要があるでしょう。
市販カラーでも美容院カラーでも危険性に大差はない
市販カラーでも美容院カラーでも、染める仕組みに違いがないものは使われる染料の種類も同じ。重要なのはどの部分を見て安全なカラー剤だと判断するのか?ということです。
日本と海外で全く違う、ヘアカラー剤に使われる成分の規制
これは日本と海外で、カラー剤に適用される法律が違うことによって生まれる違いです。ジアミン系のように、海外では禁止されている染料が日本ではごく一般的に使われています。
これはカラー剤に限ったことではなく、パーマ液や化粧品にも共通する懸念点です。何が安全で何が危ないのか、どうしても見えない部分は残ってしまうことになります。
ヘアカラーの危険性を煽る情報は鵜呑みにしない方が良い
「ヘアカラーの危険性」で検索をすると、現在は閉鎖されたサイトの情報が引用されています。つまり情報としては古く、信ぴょう性にも疑問のある情報源だということです。参考程度にするのは良いですが、鵜呑みにしないようにしましょう。
安全性の高いヘアカラーにもリスクはある
髪の傷みが少ないヘアカラーは安全性が高いと思われがちですが、視点を変えると危険性があるものなのです。どんなヘアカラーにも何らかのリスクはあり、安全面でのデメリットと言い換えることもできます。
ヘアカラーの種類別・安全面でのデメリット(リスク)は?
では一体ヘアカラーの種類が違うことによってどのようなリスクがあるのでしょうか?今回は一般的によく使われるカラー剤を7つに分け、注意すべきポイントに絞って解説します。
- 普通の市販カラー、美容院カラーはリスクの種類が多い
- ブリーチは刺激の強さがリスク
- ヘアマニキュアは色素と溶剤に懸念がある
- カラシャン・カラートリートメントは低リスク
- ヘナ・草木染めはアレルギーリスクに要注意
- 一時しのぎアイテムの危険性は、メイクアップ用品と同等
- 非アレルギー性染料は、仕上がる色に妥協が必要
①普通の市販カラー、美容院カラーはリスクの種類が多い
脱色作用のために配合されるアルカリ剤と過酸化水素、長持ちするジアミン系の染料が配合された一般的なヘアカラー。最も注意したいのは重篤なアレルギーですが、脱色による髪の傷み、アルカリ剤の刺激による頭皮の乾燥トラブルにも注意です。
②ブリーチは刺激の強さがリスク
普通のヘアカラーよりも脱色作用の強いブリーチは、髪の傷みと同時に最も頭皮の痛みを感じやすいです。反面ブリーチには色素が含まれないため、意外にも染料アレルギーの心配はありません。
③ヘアマニキュアは色素と溶剤に懸念がある
脱色作用によって髪が傷むリスクも、ジアミン染料によるアレルギーのリスクもないヘアマニキュア。溶剤のベンジルアルコールによる皮膚の刺激、発がん性の懸念があるタール色素が配合されているのが懸念点です。
④カラシャン・カラートリートメントは比較的低リスク
皮膚の敏感な人は、しっかりと色の入るカラートリートメントに配合されたアルカリ剤による刺激を感じることがあります。とはいえ、カラートリートメントはヘアカラーに比べ、総じて身体や皮膚への安全性は高い染料です。
⑤ヘナ・草木染めはアレルギーリスクに要注意
ヘナは安全性が高いと思われがちですが、荒れた皮膚には鋭い刺激を感じることもあります。草木染めとしてヘナと併用されることの多いインディゴ(ナンバンアイ)は10%の人がかぶれを起こすので、アレルギーのリスクは意外と高めです。
⑥「一時しのぎ系アイテム」の危険性は、メイクアップ用品と同等
マスカラタイプやファンデーションタイプの白髪隠しなどは、洗えば取れてしまう一時しのぎアイテム。危険性という観点ではメイクアップ用品と同等です。
⑦非アレルギー性染料は、仕上がりの色に妥協が必要
オハグロ式と呼ばれる染料や日光で発色する染料は、アレルギー性を持たないので皮膚に安全な染料です。その反面、限られた暗い色にしか染められないというデメリットも併せ持ちます。
そしてこれらの染料は髪の傷みこそ伴いませんが、仕上がりの色と明るさを選べないので、その点は妥協する必要があるでしょう。
ヘアカラーを永く安全に楽しむために必要な2つの知恵
髪色一つで似合う服の色も変われば、顔の印象すら変えてしまえる力があるヘアカラー。できれば安全にヘアカラーを楽しみ続けることが叶えば、それが一番です。
最後になりますが、ヘアカラーの危険性を可能な限り減らして自由にヘアカラーを楽しみ続けるために必要な2つの知恵をお伝えします。
①頭皮にヘアカラーを塗らないようにする
そもそも、今回解説したヘアカラーの危険性は頭皮にカラー剤を塗らなければ起こらない問題がほとんど。であれば頭皮にカラー剤が必要以上に付かないように塗るだけで、大半のリスクは激減するということです。
今後染料のアレルギーを起こす可能性や発がん性問題・頭皮の痛みもカラー剤を頭皮にベッタリ塗らないだけでほぼ解消されます。美容院では頭皮を保護しながら染めるサービスを実施しているサロンもあるので、心配な人は相談してみましょう。
②定期的にパッチテストを受ける
本来法律では、ヘアカラーをする48時間前に必ずパッチテスト(腕の内側など、皮膚の薄い場所にヘアカラーを付け、皮膚に異常が出ないか確認すること)が義務付けられています。ですが毎回48時間前にパッチテストをするのは大変なことなので、形骸化しているのが実情です。
なにしろ、染めたいと思ってから毎回48時間経過しないと染められないのは不自由すぎますよね。現実的な向き合い方としてアレルギーが心配な方は、美容室で半年に1回程度の頻度で定期的にパッチテストをしてもらい、安全性を自分の皮膚で確かめながらヘアカラーを続けていくと良いでしょう。
まとめ
どのヘアカラーにも何らかの危険性はあるということが、視点を変えることで見えてきます。
それを理解した上で、自分には当てはまらないからこの染め方で染める、と適切に選べることが大切です。
染める色・明るさの自由とアレルギー性の有無。それら3つの要素がカラー剤の種類によって大きく変わります。
例えばアレルギーの原因になる「色素」が入っていないブリーチで地毛をトーンアップした後、アレルギーリスクの低い「カラートリートメント」で色を調節するという染め方も可能なので、頭を柔らかくして損をしない選択をしていきましょう。
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