酸熱トリートメントは効果なし!と感じてしまう4つの原因と対処法!グリオキシル酸の濃度は〇〇で判別できる!

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油分や髪の構成成分を補給するのが主な目的となっていた、従来のメニュートリートメント。一方、酸熱トリートメントは健康な髪とは違った異質な都合の良い「酸熱毛」に作り替える技術です。

本来であれば、普通のトリートメントの効果が及ばなくなってしまったような酷い傷み方をした髪でも効果が期待できる酸熱トリートメント。現在判明している酸熱トリートメントの効果を感じなくさせる大きな原因は二つあり、薬剤の効かせ方と髪を乾かす度合いが不適切だからです。

今回は酸熱トリートメントで得られるはずの7つの髪質ケア効果と、それが得られなくなる4つの原因と対処法について徹底解説していきます!

目次

本来は酸熱トリートメントに期待できる、7つの髪質ケア効果

 

一般的なトリートメントは健康毛に近い髪ほど効果的で、ある一線を越えて傷んでしまった髪に普通のトリートメントは無力というのが真実。原因とズレないやり方を行っていれば、酸熱トリートメントは以下に挙げた7つもの髪質ケア効果が期待できます。

  1. 髪のハリコシが戻ることで、切れ毛のできにくい髪質にケアされる効果!
  2. 髪が濡れるとフニャフニャ・乾くとゴワゴワの状態がケアされる効果!
  3. 湿気による悪影響を受けにくい髪質にケアする効果!
  4. 髪の見映えを悪くする表面のアホ毛(チリチリ毛)を封じる効果!
  5. ダメージで毛先がチリチリに壊れてしまった髪のケア効果!
  6. 圧倒的に高いトリートメント効果の持続性!
  7. 繰り返しの酸熱トリートメントによる効果の重ね掛け!

髪のハリコシが戻ることで、切れ毛のできにくい髪質にケアされる効果!

髪の傷みが進むことによって髪のハリコシが失われ、少しの力をかけるだけで髪が切れてしまう状態に変化します。酸熱トリートメントが適切に作用することで髪にハリコシが復活し、切れ毛のできにくい髪質へとケアされるのです。

髪が濡れるとフニャフニャ・乾くとゴワゴワの状態がケアされる効果!

目安としてブリーチ(ケアブリーチ含む)3回以上ぐらいのダメージで濡れるとフニャフニャで乾きにくく、乾きにくいうえに乾くとゴワゴワでバサバサに広がる髪になります。

そうなってしまった髪は今までのトリートメントメニューではお手上げ状態でしたが、酸熱トリートメントはこの状況を打破することが可能です。

湿気による悪影響を受けにくい髪質にケアする効果!

たとえ全く傷んでいない健康毛でも、湿気によってうねりや広がりが出るときれいな髪に見えません。くせ毛の子供が、健康毛でもツヤがない髪に見えるのが良い例です。

酸熱トリートメントの主成分には、クセをやわらげて耐湿性が高い髪質にケアする効果があります。

髪の見映えを悪くする表面のアホ毛(チリチリ毛)を封じる効果!

いわゆるアホ毛と呼ばれる髪には二つあり、切れ毛に起因するものと伸びている途中の短い髪の毛によるものです。酸熱トリートメントはクセ伸ばしの効果とハリコシを戻す効果によって、嫌なアホ毛(チリチリ毛)をある程度までは封印できてしまいます。

ダメージで毛先がチリチリに壊れてしまった髪のケア効果!

毛先がチリチリになっていしまっている髪は、傷み方の上限を超えてハリコシがゼロになってしまった髪。酸熱トリートメントでも元の髪に戻すことはできませんが、特殊な結合を髪の中に作り出す作用によって傷みが修復されたのと似た状態にすることが可能です。

圧倒的に高いトリートメント効果の持続性!

酸熱トリートメントにはシャンプーを繰り返しても効果が落ちにくいという特性があります。その特性により、従来のトリートメントと比べて2倍以上もの期間トリートメント効果が持続するのです。

繰り返しの酸熱トリートメントによる効果の重ね掛け!

酸熱トリートメントで得られる髪質ケア効果は、繰り返すことで重ね掛けの効果も狙えます。目安として2回~3回繰り返した時が、最も重ね掛けの効果を感じやすい時です。

酸熱トリートメントの効果を感じなくさせる4つの原因

美容師の間でも、酸熱トリートメントの効果については賛否の議論が巻き起こっています。個人的に酸熱トリートメントとはメリットデメリットを併せ持った都合の良い「人口毛」を作る技術だと捉えています。

いずれにしても思ったような髪質ケア効果が得られない原因は4つあり、どれも施術する美容師の判断力が必要になる内容です。

  1. 主成分「グリオキシル酸」の効き方に問題がある!
  2. アイロンで水分を飛ばす度合いが不十分!
  3. 酸熱トリートメントで得られる髪質ケア効果の上限まで達している!
  4. 有効成分の特性と、求める髪質ケア効果がズレている!

主成分「グリオキシル酸」の効き方に問題がある!

酸熱トリートメントの主成分として使われるグリオキシル酸は、製品化されてから3年も経っていない新しい成分。ゆえにどのぐらいの濃度の薬剤を、どのぐらいの時間効かせるのが最も適切なのかがまだ不明確な段階なのです。

アイロンで水分を飛ばす度合いが不十分!

中にはアイロンを使わない酸熱トリートメントもありますが、最後の工程で高温のストレートアイロンを髪に当てるのが基本のやり方です。この工程で髪の水分を飛ばし切っていないと、酸熱トリートメントの効果が感じにくくなってしまいます。

酸熱トリートメントで得られる髪質ケア効果の上限まで達している!

やればやるほど上限なしに髪質が良くなるというのはさすがに嘘で、数回繰り返すと髪質ケア効果の上限に達します。元の髪質によって髪質ケア効果の上限は違うと言われており、誰でも同じ結果ではなく個人差が伴うのです。

有効成分の特性と、求める髪質ケア効果がズレている!

酸熱トリートメントの主役となっているのはグリオキシル酸という成分ですが、もう一つレブリン酸という成分が二番手に名乗りを上げています。二つの成分で得られる効果は違うので、狙う効果にマッチした薬剤選びが必要です。

酸熱トリートメントの効果を感じやすくするための4つのケア点

縮毛矯正と似たような工程を踏む酸熱トリートメントは、施術する美容師にも戸惑いを感じさせます。実のところ酸熱トリートメントは縮毛矯正の概念を無視したほうが効果的なのです。

やや専門的な内容に寄ってしまいますが、酸熱トリートメントで効果がないときのケア点は現状で4つあります。

  1. 有効成分の濃度は不明。判断する基準は濡らした時の「臭いの強さ」!
  2. ストレートアイロンは躊躇せず高温に設定する!
  3. 傷みのひどい髪ほど躊躇なく徹底的に水分を飛ばす❕
  4. 酸熱トリートメント直後のヘアカラーでトーンアップを控える!

有効成分の濃度は不明。判断する基準は濡らした時の「臭いの強さ」!

酸熱トリートメントを発売している各社は有効成分の濃度を公表していないため、現状では製品毎で数値化しての比較ができません。判断の目安となる鍵を握るのはグリオキシル酸が持つ特有の臭いの強さ、つまり嗅覚での判断です。

髪を濡らした時の臭いが強い=グリオキシル酸が濃い!

髪を濡らした時に出るグリオキシル酸特有の臭さは、グリオキシル酸の濃度が高いほど強くなると推測できます。例えばサイエンスアクアでは、グリオキシル酸特有の臭さがあまり強くないので、おそらくグリオキシル酸の濃度が低い部類の酸熱トリートメントです。

ストレートアイロンは躊躇せず高温に設定する!

縮毛矯正の概念が頭から離れないと、美容師はストレートアイロンの温度を上げることにためらいを感じるものです。しかし酸熱トリートメントにおいては必要な温度までストレートアイロンを高温に設定しないと効果が感じられなくなります

傷みのひどい髪ほど躊躇なく徹底的に水分を飛ばす!

ドライヤーの段階からきれいに乾かしましょう、という論調もあります。ですが私個人の経験では、ドライはそこそこにしてストレートアイロンで徹底的に容赦なく水分を飛ばすことの方が重要です。

ストレートアイロンを当てた時に水蒸気の量が明らかに減ったと分かるぐらいが目安になります。この水分の飛ばし方はドライヤーでできるレベルではなく高熱のアイロンだから可能になる次元の水抜きです。

傷んだ髪ほど髪の中に入り込んだ水分が抜けにくいので、髪の手触りで湿り気を感じずサラサラとした髪に変化するまで躊躇なく高温で水分を飛ばす必要があります。

酸熱トリートメント直後のヘアカラーでは明るくしない!

せっかく酸熱トリートメントで髪のハリコシが+20復活しても、ヘアカラーの傷みでハリコシが-30になってしまったら効果がなくなってしまうのと同じです。髪の明るさは現状維持か、トーンダウンが無難でしょう。

とはいえ酸熱トリートメント直後のヘアカラーは発色が非常に不安定です。そのため酸熱トリートメント直後のカラーでは、完璧な色味を求められても対応できない場合があります。

まとめ

酸熱トリートメントならではの効果を得るためには薬剤の効かせ方と徹底的に髪の水分を飛ばすこと、この二点を押さえることが必須になります。

濃いもののほうが良いのかどうかは髪質によって変わると言われますが、有効成分(グリオキシル酸)の濃さは嗅覚による判別が可能です。

アイロンを使っての水分飛ばしは怖がらずに、傷みのひどい髪ほど徹底的に行う必要があります。

とはいえ、そこは美容師のやり方と判断に委ねられる部分なので、同じ酸熱トリートメントでも仕上がりに差が出るのはそれが原因です。

かといって酸熱トリートメントは決して「ヘアケア最後の砦」ではありません。今回解説した内容をケアしても、まだ酸熱トリートメントの効果に限界を感じる方は、LINEにてご相談ください。

やや専門的な内容になりますが、酸熱トリートメントのまとめ記事はこちらです。

どれが酸熱トリートメントって言われるメニューなのかわからない!という方はこちらに酸熱トリートメント商材メーカー一覧をまとめてあります。

酸熱トリートメント7つの失敗から判明した7つのデメリットもご興味がありましたらお読みください。

そもそも髪質ケアって何をすることなのかが知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

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この記事を監修した専門家

角谷滉一

  • ヘアケアマイスター1級
  • 健康管理士1級

都内の美容室『Re+(リプラス)』を運営する、管理美容師。美容と健康のスペシャリスト。専門知識のくわしさと洞察の深さに、業界内でも定評がある。

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