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【酸熱トリートメントまとめ】 脱水縮合とイミン結合のメカニズム、酸の種類が違うことによって変わる髪質改善効果の違い!

角谷 滉一
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角谷 滉一
⇑でインスタもやってますので覗いてみてくださいね。 ヘア&頭皮ケアの専門家。都内で独立開業10年の現役美容師◆ヘアケアマイスター、健康管理士1級、色彩検定2級保有。
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今回お伝えする内容は、美容業界の専門誌「経営とサイエンス」2019年9月号で掲載されていた酸熱トリートメントの最も新しい見解のメカニズムについて、私の言葉でまとめたものです。

私自身は「経営とサイエンス」の前身である「マルセル」時代からの読者です。ところが酸熱トリートメントに関する情報は前の号と次の号で原理の説明が二転三転していることもあり、情報の信ぴょう性に疑念が湧いてしまっています。

メーカーでも美容室現場でもない、第三者の研究機関が協力サロンと提携しながら検証を行った情報が掲載されているので、その点に関しては大変ありがたいことです。とはいうものの、現状では掲載されたすべての情報を鵜呑みにはできないと感じてしまいます。

気になる内容も多かったので、不確実・不明な部分は指摘を入れながらの解説です。

「脱水縮合」後の「イミン結合」によって酸熱トリートメントの効果が出る?

 

聞きなれない脱水縮合という言葉ですが、酸熱トリートメントの主成分(グリオキシルサン・レブリン酸・グリコール酸)が髪に作用した後で、髪を乾かして水分を飛ばす行為のことです。ドライヤーとアイロンによって髪の水分が抜かれる過程では、同時に髪のたんぱく質と酸がイミン結合という新しい結合を髪の中に作り、強いハリコシを生み出すもとになっています。

この脱水縮合とイミン結合の生成は、酸熱トリートメントを洗い流して髪をドライし始めた時から同時進行されるので、ブローとストレートアイロン両方の工程を適切に行うのが重要です。

酸熱トリートメントの主成分が違うことによって効果はこう変わる!

主成分 結合の強さ クセ伸ばしの力 持ちの良さ
グリオキシル酸
レブリン酸
グリコール酸

※誌面の表ではグリコール酸の結合が「アミド結合」と表記されていましたが、文脈上誤りだと思われるので「イミン結合」に修正しました。

グリオキシル酸とレブリン酸はイミン結合を作るための手を2つ持っているため、髪のたんぱく質とたんぱく質をより強くつなぐことが可能です。それに対しグリコール酸にはイミン結合を作る手が一つしかないので、他二つの酸に比べるとクセをゆるくする力も効果が持つ期間も劣ります。

主成分(酸)の配合量が多いとクセ伸ばし効果や持続性がアップする!

酸の配合量が多い製品ほど一度に作られるイミン結合の量が多いため、その分クセ伸ばし効果と酸熱トリートメントの持ちがアップします。しかし髪の中でイミン結合を作れる部分(=アミノ基の量)には限界があり、酸熱トリートメントで髪質を良くできる上限が存在するということです。

傷んだ髪、傷みやすい髪ほど酸熱トリートメントは効果的。ただし例外あり

主成分の濃度 傷んだ髪への効果 健康毛への効果 年齢で弱った髪への効果
濃い
薄い

酸熱トリートメントの効く場所(=アミノ基)は髪の中なので、キューティクルが弱っていて髪の中に成分が浸透しやすい髪ほど効果が見込めます。

傷んだ髪と高濃度の酸は相性が悪い?

理屈で考えると酸が濃いほど効果も高まるので、傷んだ髪にはより濃い(強い)酸のほうがより効果的に思えます。ところが「経営とサイエンス」によると、傷んだ髪に濃度の高い酸を使うと悪影響があり、効果が出にくくなるとのことです。

  • 比較的健康な髪には濃い酸熱トリートメントが効果的
  • エイジング毛には濃い酸熱トリートメントが効果的
  • ダメージ毛には酸熱トリートメントの効果が出やすいが、酸を薄くしないと効果が出にくくなる

少ししっくりこないものを感じますが、現段階の情報をまとめるとこのような結果になります。

高頻度で何回酸熱トリートメントの回数を増やしても、効果が出ない髪もある

2~3回酸熱トリートメントを繰り返すと効果・持続性ともに上がる実感がありますが、それ以上の回数を繰り返してもあまり効果的でないとのこと。髪の中で新しい結合を作る場所(=アミノ基)がなくなってしまうからです。

酸熱トリートメントはシャンプーで効果が落ちにくい!

酸熱トリートメントで髪の中に作られた強力な結合は、シャンプーをしても壊れません。洗いすぎて酸熱トリートメントの効果がなくなってしまう心配をする必要はないでしょう。

酸熱トリートメント後のパーマはかかりにくい!

髪の中でパーマがかかる場所と酸熱トリートメントが人工的に補強した場所は全くの別物。パーマ液は髪の中に元々あるシスチン結合という場所に作用する薬剤です。

酸熱トリートメントによって補強された髪の中はパーマ液が効きにくくなってしまうので、私の経験上も「酸熱毛」とパーマの相性は良くありません。パーマをかけた後に酸熱トリートメントをすると髪にハリコシを出せますが、その後のパーマがかかりづらいことに変わりはないので、継続性の面で問題が残ります。

パーマに影響が少ない酸熱トリートメントは、微妙な効果のグリコール酸!

酸熱トリートメントとしては他2種類の主成分より効果が薄く、微妙な存在のグリコール酸。その分パーマのかかりに与える影響は少なく、パーマの前後どちらにやっても通常通りパーマがかかります。

酸熱トリートメントの繰り返しで問題になる髪の硬さと解消法

※誌面ではグリコール酸が硬さを生み出すとの説明でしたが、文脈上グリオキシル酸の誤りと思われます。

酸熱の効果が高くなるほど出やすくなる髪の硬さですが、表面に出てくるチリチリ毛をしっかりと消したければ、ある程度髪が硬くなることはやむをえません。比較的柔らかく仕上がるレブリン酸の酸熱トリートメントに切り替えるか、普通のトリートメントでガードするなど、グリオキシル酸の効き方を弱めるのが現時点での対処法です。

酸熱トリートメントの臭さが気になる場合はどう対処する?

 

洗浄力の強いシャンプーで洗うことでシュウ酸アルデヒドの臭いを緩和できるとのことですが、同時にトリートメント効果が落ちる可能性もあるとのこと。シャンプーで酸熱トリートメントの効果は落ちないとの説明もあったので、この内容には??です。

酸熱トリートメントの後にヘアカラーを行うことで臭いを和らげる効果があるとの説明もありましたが、酸熱トリートメントの効果に悪影響を及ぼす可能性もあるとのこと。私の経験上では直後にヘアカラーをしても、酸熱トリートメントの効果がなくなったという失敗は一度もありませんでした。

ヘアカラーの色が酸熱トリートメントで抜けてしまう問題の対処法は?

実は色抜けではなく、一番効果を感じる主成分であるグリオキシル酸が髪に染まっているカラー剤の色素を変色させてしまうとのことです。グリオキシル酸がヘアカラーそのものを変質させてしまうので、色抜けと変色の両面で課題が残ります。

私の考える現実的な対処法はグリオキシル酸でしっかりと効果を出し、必要なくなったらレブリン酸寄りの酸熱トリートメントへシフトチェンジしていくといったところです。

まとめ

酸熱の工程で髪を乾かす行為全てが「脱水縮合」をすることに該当し、その過程で強固な「イミン結合」が作られるとのことでした。

比較的強いクセ伸ばしの効果が得られるグリオキシル酸と、仕上がりの柔らかさが得られる反面、クセ伸ばしの効果は弱いレブリン酸。この二つの成分が持つ特性を把握し、うまく使い分けていくことが必要になるでしょう。

存在感の薄いサリチル酸はパーマと相性が良いですが、髪質改善の効果も緩やかです。

傷んだ髪と濃い酸の相性が良くないというのも、非常に難しい落としどころ。グリオキシル酸が主役の酸熱トリートメントは繰り返した髪に硬さが出やすい問題点と髪によって違う効果の天井、ヘアカラーとの相性が当面の間は課題となりそうです。

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