現在、美容室での白髪染めと市販の白髪染めを併用している人は、毛染めをしている人全体のうちおよそ半分ほどだと言われます。ですが自分で自分の髪をきれいに染めるのは、なかなか難しいもの。
特に白髪染めはおしゃれ染めよりも染める頻度が高くなるため、それに伴ってトラブルも起こりやすくなります。染まっている部分の色はドンヨリと暗くしずんだ色で、肝心な根元の白髪は薄い染まりになってしまうといった失敗です。
今回は自分で白髪を染めたい時に、根元の白髪を思い通りの色に染めるためのコツ、繰り返し染めても髪の傷みと色の失敗を起こさない裏技を詳しく解説していきます!
白髪をうまく染めるために必須の塗り方・4つのコツ
おしゃれ染めと白髪染めでは製品設計上での大きな違いがあり、その違いが白髪染め特有の失敗を引き起こす原因になります。白髪染めはおしゃれ染めに比べ、配合されている染料が圧倒的に濃いので、白髪染めに適した塗り方のコツがあるのです。
白髪をうまく染めるためには、以下に挙げた4つのポイントが重要なので、自分の塗り方と照らし合わせてチェックしてみましょう。
- すでに染まっている白髪には、極力カラー剤を塗らない!
- 見えない場所はうまく染まらなくて当たり前!
- カラー剤を塗る量は、おしゃれ染めの2倍に増やす!
- ハケもいいけど、指で置くように塗るほうがきれいに染まる!
一度でも染めた白髪には、極力カラー剤を塗らない!
「明るく染まる白髪染めを使っているはずなのに、ドンヨリと暗めの色に染まってしまう」というお悩みはよく耳にします。これは、その白髪染めが根元の新しく生えてきた髪を明るく染められるカラー剤だからなのです。
すでに染まっている場所には別のカラー剤を塗るか、避けて塗らないようにするのが美容師にとっての常識で、一般の方は持っていない認識。市販カラーの白髪染めは全て、新しく生えてきた根元の白髪を染める目的で作られています。
そのため市販の白髪染めは、一度でも染めた場所を再度染めると、暗く染まってしまう製品設計になっているので、重ね塗りをしない必要があるのです。
見えない場所はうまく染まらなくて当たり前!
美容院で染めず、いつも自分で染めている人の染まり方には顕著な偏りが見られます。気になる顔回りの白髪は念入りに塗られて黒っぽくなっており、後ろの内側など、見えない場所は全く染まっていないことも。
見えない場所まで染め残しを作らず、本気で正確に塗り分けしようとしたら大変な作業です。2つのスマホを用意して、画面共有で見える状態にして塗る以外の方法はないでしょう。
カラー剤を塗る量は、おしゃれ染めの2倍に増やす!
白髪自体が黒髪よりもカラー剤をはじきやすいという特性があるため、とにかくたっぷりのカラー剤をのせる必要があります。おしゃれ染めはある程度の薄塗りで染まりますが、白髪染めはそれだと失敗確定です。
感覚としては、おしゃれ染めで染めるときの2倍量のカラー剤を髪に乗せる必要があります。
ハケもいいけど、指で置くように塗るほうがきれいに染まる!
たっぷりとカラー剤を塗るというのは、言うのは簡単でも、やってみると大変難しい作業です。何度も触らず、一発でカラー剤を置くように塗るのが、たっぷりと塗るために絶対に必要なコツ。
自分で白髪染めをする場合はハケよりも、指に取ったカラー剤を置くように塗る。こうすることで、狙った場所へ確実に、たっぷりとカラー剤を乗せることができます。
白髪染めの失敗を回避できる、おすすめのカラー剤は?
白髪染めでうまく染めるためには、カラー剤選びも大変重要な要素。白髪をしっかりと染めるため、おしゃれ染めよりも根元にカラー剤をたっぷりと盛りやすい製品を選ぶ必要があるのです。
泡タイプの白髪染めやゆるいジェル状の白髪染めは、髪に塗りやすくて使いやすい製品。ですがその反面付かないほうが良い部分まで液がついてしまうため、仕上がりの髪色は失敗しやすくなってしまいます。
一番のおすすめは、断然プロが使う業務用カラー剤!
市販のカラー剤は、染まりやすさよりも塗っていてストレスを感じない操作性の良さに重点を置かれているため、どうしても失敗しやすいのです。とはいえ、伸びてきた白髪が気になるからと言って無計画に染めていると、髪の傷みも染まった色も、どんどん変になってしまいます。
それを解決するために最も有効なのは、美容室で使われているヘアカラーを購入して白髪染めすることです。プロが使う白髪染めは、市販のものよりも硬めのクリーム状に作られています。
今はネットで何でも買える時代なので、ネットショップでプロ用の白髪染めを購入するのは実に簡単。無難なブラウン系に仕上げたい場合はN系(ナチュラル系)、赤みを抑えた色が好きな人はベージュ系に該当するものの5~7トーンを選ぶことで、無難な色と明るさに仕上がります。
プロが使う白髪染めは、失敗の要因『重ね塗り』を阻止できる!
プロ用の白髪染めを使うと、最初はカラー剤の硬さに戸惑うかもしれません。ですがその分、白髪染めの失敗を招く最大の要因である、無駄な重ね塗りを阻止することが可能です。
プロが使うカラー剤を、指を使って根元の伸びてきた白髪だけに置くような感覚で塗る。これが間違いなく、一番白髪を確実で確に染められる方法です。
カラー剤を何に変えても、見えない場所を染める限界はある!
見えない部分がうまく染められないのは、プロの美容師が自分で塗っても同じ結果になります。どの白髪染めを選んだとしても、髪の傷みが上乗せされるか、色が沈んでしまうか、どちらかの失敗は避けられないです。
これはカラー剤の性質そのものの影響で起こるデメリット。市販の白髪染めでも、プロが使う白髪染めでも同じように起こる問題なので、自分でできることの限界はあるということです。
白髪染めを失敗しないために必要な3つの基礎知識+1
先に要点の裏技的な白髪染めノウハウを解説してしまいました。ここでは改めて、白髪染めを行うにあたっての基本的な3つの注意事項+1についておさらいしていきます。
白髪染めの放置時間はちゃんと守る!
白髪染めを塗り終わってから、染まりにくい髪は30分、染まりやすい髪は20分ぐらいで染まります。放置時間が足りないと染まりませんが、長すぎると髪を余分に傷め、仕上がる色合いにも悪影響が出るので、適切な放置時間で染めましょう。
シャンプーする前に、ちゃんと染まっているかを目視でチェック!
根元のカラー剤を一部、綿棒などで拭ってみて、白髪にちゃんと色が入っているか確認してからシャンプーしましょう。まだ染まっていない感じがするときは3分単位でチェックして、染まったことを目で見て確認してからシャンプーです。
白髪の量によって、仕上がりの明るさは変わるもの!
同じ白髪染めを使っても、白髪の割合が多い髪は見本よりも明るい色に染まり、少ししか白髪のない髪は暗く染まるものなのです。いつも根元ばかりが薄い色に見える場合、もう少し暗い色を選ぶ必要があるかもしれません。
プロ用白髪染めは、髪が濡れていても染まるものが多い!
市販のヘアカラーはゆるいものがほとんどなので、濡れた髪を染めると垂れ落ちやすくて危険です。一方最近のプロ用白髪染めは髪が濡れていても染まるように作られているものがほとんど。
髪が湿っているほうが分け目を作りやすく、根元の塗りやすさにもつながることなので、プロ用の白髪染めで染めてみたい人は覚えておくと良いでしょう。
まとめ
白髪染めの特性上、重ね塗りの繰り返しが更なる失敗を生み出しています。
見えない場所の根元を完璧に染めて、色も変にせず、髪も傷ませないのはプロの美容師が自分で染めても至難の業。
ですが、プロ用の白髪染めを上手に活用してしまえば、塗り方による失敗リスクは最小限まで低くできます。
根元と他の部分の色が合わないときは、選んでいるカラー剤が明るすぎる、もしくは暗すぎることが多いので、その点もチェックしてみてくださいね。