一時のブームかと思われたオーガニック製品は、今もなお人気が右肩上がりを続けています。これは世の中が安全性の高い製品を求め続けている表れですが、そもそもシャンプーにおける安全とは、何をもってして安全と言えるのでしょうか?
実はオーガニックシャンプーだからと言って安全性が上がるわけではなく、どんなシャンプーでも別々の意味で危険性があります。万人に100%安全なシャンプーは存在ぜず、「あなたにとって」危険性が低ければ安全なシャンプーで、基準にできる要素は一つ、顔の肌に合うかどうかです。
今回はシャンプーの安全性を決定づける5つの要素と安全なシャンプーの選び方、洗浄成分(界面活性剤)が違うことによって地肌への刺激と洗浄力がどう変わるのかを詳しく解説していきます。
シャンプーの安全性を決定する5つの要素
安全性が高いと宣伝されているシャンプーを使ってかゆみが出た!という方もいれば、頭皮に刺激を感じたという方もいることでしょう。
安全性に疑問を持ってしまうような頭皮トラブルは、安全性が高いシャンプーでも起こる内容です。ここではシャンプーの安全性を決定づける4つの要素について解説します。
- 地肌(頭皮)に対する刺激の強弱
- あなたの地肌(頭皮)に合わない成分は、かゆみの原因になる
- 必要最低限の防腐剤は、品質保持の安全性を担う
- シャンプーボトルの構造・素材の違い
地肌(頭皮)に対する刺激の強弱
シャンプーに使われている洗浄剤には、頭皮に対して比較的刺激が強い成分と弱い成分があります。頭皮への刺激が強い洗浄成分は、洗浄力も高くなる傾向です。
洗浄力が必要な頭皮で、ちゃんと汚れを落とせていない状態は頭皮トラブルを招きます。シャンプーには髪と地肌の汚れに対する洗浄力が適切であり、なおかつ刺激性の低さも必要です。
しかし、低刺激で洗浄力も高いシャンプーを作るのは、決して簡単なことではありません。
なぜなら「刺激」と「洗浄力」のバランスがどのくらいで適切となるのかは、頭皮タイプによって大きな個人差を伴うからです。
あなたの地肌(頭皮)に合わない成分は、かゆみの原因になる
中にはアミノ酸系の洗浄剤が合わない頭皮もあり、その場合は頭皮のかゆみを引き起こします。しかもアミノ酸系シャンプーは髪や頭皮と馴染みやすいがゆえに、使用をやめてもすぐにかゆみが収まらないというデメリットもあるのです。
そのため、低刺激の成分でもあなたの頭皮に合わない場合は、頭皮がかゆくなってしまうことがあります。
必要最低限の防腐剤は、品質保持の安全性を担う
防腐剤として最も有名なパラベンは、配合する量が少なすぎると防腐効果が発揮できません。かといって、多すぎると地肌にピリピリする刺激を招いてしまうので使い方が難しい成分です。
パラベンが無添加のシャンプーでも、シャンプーの腐敗を防止するために何らかの成分は配合されています。腐敗したシャンプーは使い物にならないので、品質を安定させるための防腐剤は、安全性を高めるとも言えるのです。
シャンプーボトルの構造・素材の違い
最低限度の防腐剤でもシャンプーの品質を保つにはシャンプー容器に工夫を施すという方法もあります。遮光性や気密性が高いシャンプーボトルを採用したり、空気の混入しにくい構造にすることで、安全性をアップさせているのです。
外国製のシャンプーと国内製造のシャンプー、安全性に違いはある?
どちらの場合においても、国内で販売するためには薬機法の基準を満たしているシャンプーである必要があります。違いは「農家さんの顔が見える野菜」と同じようなもので、安全性というよりは安心感や信頼性といった部分での違いが大きいです。
実はシャンプーの安全性に直結「しない」5つの要素
「オーガニックシャンプーや石けん成分は抜け毛予防にも効果的で、天然由来だから安全性が高い」。
一見、文面を読むと和やかな安心感を覚えますが、実はこれらのどの表現も、シャンプーの安全性には直結して「いません」。
非常に誤解が多い部分なので、意外にも安全性を保障してくれない5つの要素についても詳しくなっておきましょう!
- 「オーガニック由来原料」は、安全性を担保しない
- 石けん成分は石油系以上に刺激が強い
- 「頭皮のケア効果」と「髪のケア効果」は、切り離して考える
- 抜け毛(ヘアサイクルの乱れ)と安全性は、ほぼ無関係
- 配合成分の種類が多いと、頭皮に合わない人も一定数出てしまう
「オーガニック由来原料」は、安全性を担保しない
そもそもオーガニックの認証とは作物の生産方法や生産者に対して与えられる認証。極論を言うと、オーガニックで栽培されていながら栄養スカスカの作物もあり得るということです。
少なくとも、表記上ではオーガニック原料から抽出された成分と、化学合成で作られた成分は同じ。その違いが成分の効き方に違いを及ぼすという根拠はないので、安全性の高さには繋がらないのです。
石けん成分は石油系以上に刺激が強い
私自身、石油系シャンプーで洗っても刺激を感じませんが、石けん系シャンプーで一度でも洗うと地肌がヒリヒリします。石けん系の成分は、イメージよりもはるかに刺激があるという事実です。
「頭皮のケア効果」と「髪のケア効果」は、切り離して考える
髪と頭皮に必要なケア成分は違うことが多く、それに伴って安全性の意味合いも変わります。
多種類の植物抽出エキスは地肌に良い効果を与えるかもしれません。いっぽう、髪に必要なのは各種アミノ酸など髪の原料になる成分や、滑りを良くする油分などです。
抜け毛(ヘアサイクルの乱れ)と安全性はほぼ無関係
シャンプーを変えて抜け毛が増えた!と感じると、まず安全性に疑念を持つことでしょう。
しかしシャンプーに配合された洗浄剤が浸透できるのは、頭皮の一番上にある角質層まで。体内まで吸収されることはありませんし、皮膚の生まれ変わりとは全く別のサイクルで回っている、髪の成長周期には無関係です。
配合成分の種類が多いと、頭皮に合わない人も一定数出てしまう
数えきれないほどの植物成分が配合されている自然派シャンプーは、一見安全性が高そうに見えます。実際には成分数が多い分、そのうちどれか一つの成分に「当たってしまう」可能性も上がるのです。
「合わないシャンプーが多い」と感じる人は、複雑な成分配合で作られる合成香料を使ったシャンプーを避けるのが最善策となります。
結論!安全なシャンプーはどうやって選べばいいの?
抜け毛や薄毛などの頭皮トラブルと安全なシャンプーはワンセットとして考えられる傾向が見られます。しかし実際には無関係な要素なので、本当に目を向けるべき安全性のポイントは、以下に挙げた3つです。
- 合わない成分が多い人は、「香料」に一番注意する
- 地肌がヒリヒリする人は、低刺激性の洗浄剤を把握しておく
- 頭皮の皮脂量と水分量のバランスが保てる製品を見つける
合わない成分が多い人は、「香料」に一番注意する
頭皮トラブルの大部分は、合成香料と防腐剤によるものです。頭皮のかゆみやかぶれなど、配合成分の相性が原因でシャンプージプシーしてしまう人は、第一に合成香料、第二に防腐剤の有無を確認するようにしましょう。
地肌がヒリヒリする人は、低刺激性の洗浄剤を把握しておく
「地肌がかゆくなる」という頭皮トラブルは、成分が合わなくてアレルギー反応を起こしているケースと乾燥が原因のケースがあります。そしてシャンプーの際、地肌にピリピリ感やヒリヒリとした刺激を感じる場合は洗浄成分の刺激が原因です。
つまり「成分が合わない」と言っても、アレルギーという意味で合わないのか、刺激の強さで合わないのか、二つの意味があることを知っておきましょう。
頭皮の皮脂量と水分量のバランスが保てる製品を見つける
いずれの頭皮トラブルにしても、頭皮が適切な皮脂量と水分量のバランスを崩すことから全てが始まります。洗い方に問題がないことを大前提として、皮脂量と水分量の調和を取れるシャンプーが頭皮トラブルを引き起こさない、安全なシャンプーです。
まとめ
安全性をアピールするために、シャンプーの販売メーカーはどこも耳当たりの良い、イメージが良い言葉を用います。オーガニック・自然派・無添加・ボタニカルなどが今どきウケる言葉です。
防腐剤が入っていないほうが安全なシャンプーなのか?というのも判断が難しい部分。判断基準になることの一つとして、頭皮は顔の皮膚に比べると鈍感です。そのため、顔(肌)にトラブルを起こさないシャンプーは、安全性が高いシャンプーだと言えるでしょう。
話が長くなってしまうので、シャンプーに配合されている成分についての詳しい内容は、また別の記事にてご紹介します。
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