[su_box title=”ヘアカラーのダメージに関するお悩み相談” box_color=”#937e8e”]ヘアカラーをずっと続けていますが、最近髪のダメージがとても気になります。ちゃんと良いシャンプーやトリートメントを使ってケアしているつもりですが、、夕方になると根元のほうはベタベタして毛先はパサパサになってしまいます…。 なぜそうなってしまうんでしょうか?こうなると、もう髪を切るしかないのでしょうか?[/su_box]
まず最初のステップで必要なことは、今の自分の髪がどういう状態になっているのかを正確に把握すること。そして油分ばかりを補給する間違いヘアケアのスパイラルから脱却する必要があります。
髪の状態に適したダメージケアをしていれば、ヘアカラーのダメージは必ずケアできるもの。自分の髪の傷み方を誤認している人は意外と多いもので、それが悩みを助長している場合も。
今回はヘアカラーで髪がダメージする原因と、それぞれに最適なケア策を解説していきます!
ヘアカラーでなぜダメージは起こる?
ヘアカラーのダメージとは、脱色作用を伴うカラーで起こるもの。ヘアカラー剤に配合されているアンモニアやモノエタノールアミンなどの「アルカリ剤」と、2剤と呼ばれるものに配合されている「過酸化水素」がそれに関係します。
これらの作用によって、髪の中にあるメラニン色素が壊されることで髪は明るくなりますが、同時に髪のたんぱく質も壊されます。髪がアルカリ性に偏ることで髪は弱くなる性質もあるため、脱色作用によるタンパク質の破壊と、アルカリ剤が髪を不安定にする影響。この二つがヘアカラーのダメージを引き起こす主な原因です。
次に、カラーのダメージを錯覚させる元凶となっている、最も重要な部分について説明します。これを理解していないと、すべてのヘアケアの労力が水の泡になってしまうほど大事な内容なので、しっかりと理解しておくようにしましょう!
暗く染まるヘアカラーには超絶・要注意!
基本的にカラーによるダメージとは、脱色力の強さに比例して大きくなるもの。要注意なのは暗い仕上がりに染まるカラー。実は暗く染まるヘアカラーだからといって、ダメージの少ないカラーとは限らないのです。
分かりやすいのは白髪染めで暗めの染まり上がりになっているケース。一見すると暗い仕上がりなので、それほど脱色力は必要ないように思われがちです。
ですが実際には、白髪と黒髪という全く明るさの違う2つの色を、一つの同じ色に染め上げるのはかなりの無理が生じる染め方。黒髪は目的の明るさよりももっと明るく脱色して、たくさんの色素を入れる必要があります。
その一方で、薬剤を弾きやすい頑固な白髪は傷めつけて、髪の中にたくさんの色素を押し込むようにする。このような強引なメカニズムの結果として、そこそこ落ち着いたこげ茶色に染まっています。
つまり、見た目には暗く染まっているように見えても、地毛は金髪レベルまで脱色されていることも多々あるということに。カラーによる髪の傷みは「色素を入れ込む前の地毛の明るさ」に比例したダメージを伴います。
例えば市販の白髪染めを毛先まで3回も繰り返していると、色素を入れこまない髪の地毛は金髪レベルまで脱色されている状態に。金髪を黒髪戻しで暗く染めているのとほぼ同じダメージがあることになるのです。
トリートメントでカラーのダメージケア効果が感じられない原因は?
大変理不尽な事実として、ダメージしていない髪ほど傷みにくく、ダメージの進んでいる髪ほど更に傷みやすくなるというものが。本来であればより効果を得たい激しいダメージのある髪ほど、トリートメントの効果は持続しにくいのです。
髪のダメージがさらなるダメージを呼ぶ!?
健康毛に近ければ近いほどキューティクルが多いため、髪は摩擦に強くなり、切れにくく強い髪の状態です。それに対し、髪のダメージが進むほどキューティクルは失われるため、髪は摩擦に対して弱くなり、切れやすく弱い髪に変化します。
弱ってしまった髪はトリートメント成分を髪に留める力も弱まってしまうため、頑張ってヘアケア成分を補給してもどんどん流れ出てしまいやすい状態に。つまりトリートメントの必要がない健康な髪ほど強く、トリートメント効果を得たいダメージ毛ほど効果が持続しにくいという厳しい現実が。
この状況をケアするためには、自宅で行うトリートメント、洗い流さないトリートメント、美容室で受けるトリートメント、それぞれの役割の違いを正しく知って使いこなす必要があります。
ヘアケア製品、それぞれの役割はどう違う?
ヘアケアを行う場合に知っておきたい前提の知識が1つあり、髪が濡れているときに付けたものは髪の内部、髪が乾いたときに付けたものは髪の外側によく効くという性質。髪の内部、外側両方をケアすることでカラーのダメージはケアするものなので、とても重要な前提知識です。
では次に、自宅で行うトリートメント、洗い流さないトリートメント、美容院で行うトリートメント、3つの役割の違いについて解説します!
①自宅で行うトリートメントの役割は?
リンスは髪の表面をコーティングするもので、トリートメントは髪の内部に効くもので…といった区別をしている方が多いのではないでしょうか?ですが実際には、リンスやトリートメントの区別をする明確な定義はないのです。
特に近年はトリートメントにもリンスの効果が付与されているのが当たり前となっています。そのため、コンディショナーやヘアマスクなどの別称もすべてひっくるめて「シャンプー後に自宅で行う、洗い流すヘアケア剤」という分類が最も的確。
この洗い流すヘアヘア剤の役割は2つあり、一つはダメージして乾燥しやすくなった髪に油分を与えること、もう一つは髪同士の絡まりを抑えることです。弱って切れやすくなってしまった髪を切れにくくする効果もありますが、美容院で行うトリートメントと同等までの効果を得るのは難しいでしょう。
ダメージケア効果を高める3つのポイント!
使い方次第で効果がゼロにも、80にも変化するのが洗い流すヘアケア剤。洗い流すヘアケア剤の効果を最大値にするためのポイントは3つあります。
- 水気をしっかりと切って、ヘアケア成分が濃い状態で髪に効かせること
- 髪の毛を両手で優しく挟んで、浸透圧で髪の内部までヘアケア成分を浸透させる
- 熱めのお湯で流すとせっかく浸透した成分が流れ出てしまうので、すすぎのお湯をぬるくする
この3つのポイントをもしも見落としている方は、ここを直すだけでもかなりのダメージケアが見込めることに。もちろんですが、カラーヘアのダメージに適した質の良いトリートメントを使うことが大前提です。
②洗い流さないトリートメントの役割は?
ヘアオイル、ヘアミルクなどがこの洗い流さないトリートメントに該当するもの。これらは髪を乾かす直前に使われるものなので、仕上がりの手触りに最も影響を与えるものです。
濡れている髪には内部まで成分が浸透しやすいので、洗い流さないトリートメントは髪の表面だけでなく、髪の内部にも効果が及びます。ドライヤーの前に使うもののため、髪に長時間留まり続けることができるという大きな利点が。
洗い流さないトリートメントに必要な4つのスペック!
ヘアカラーのダメージをケアしたい場合、この洗い流さないトリートメントは特に良いものを選びたいところですが、製品選びのポイントは4つあります。
- シリコンは配合されていてもいいので、髪の絡まりや摩擦をしっかりと防げるもの
- 髪の構成成分であるアミノ酸など、油分以外に髪を強化できる成分が配合されているもの
- ドライヤーなどの熱によるダメージをしっかりと防止できるもの
- (オイルの場合)乾いた髪に重ねづけしても重くならないもの
これらの4つのポイントをクリアした製品から、自分の好きな香りや手触りに仕上がるものを選びましょう。
③美容院でしてもらうトリートメントの役割は?
「カラーで髪のダメージがある」とひとまとめに言っても、実際の髪の状態は人によってさまざま。髪の長さや普段繰り返しているヘアケア習慣の違いによって髪に必要な成分も違ってきます。
一例をあげると、カラーを繰り返しているロングヘアの毛先には、キューティクルがほぼ残っていない場合がほとんど。この場合、キューティクルの役割をしてくれる成分(シルク、キトサン、ヒアルロン酸、18-MEA、エルカラクトンなど)が必要です。
ブリーチなどのハイトーンカラーの影響で切れ毛が起こりやすくなっている場合、必要なのは髪を切れにくい、強い状態にすること。そのために必要な成分(ケラチン、タンニン、ペリセア、リピジュア、など)を補給する必要があります。
こういった髪に必要な補修成分を高濃度で補給できるのは、美容院のトリートメントならではの役割。どの成分が必要なのか?という見極めも必須なので、美容師にお任せすべき部分となります。
カラーダメージを悪化させないため、これだけはダメ!な習慣
カラーでダメージを受けた髪とは、想像以上にデリケートな状態。せっかく効果の出るダメージケアをしていても、髪に良くない習慣の繰り返しは、ダメージとのいたちごっこの繰り返しとなってしまいます。
とくに近年はコテを使ったスタイリングが主流となっている中、一つ気を付けたい習慣が。それは、オイルが付いた髪に高温のコテを当てるスタイリング法です。
コテの持つ高温によってオイルは酸化しますが、酸化したオイルは髪を傷めてしまいます。簡単に言ってしまうと髪の天ぷらを作るのに匹敵する行為なので、毎朝そんなことをしていたら髪はひどいことに。
特に注意したいのは、スタイリング剤(ワックスやバーム、スタイリング用オイルなど)を付けた後のコテ巻き。髪にたっぷりの油分が付いているので、悪影響がさらに強く及んでしまうことに繋がります。
毎朝コテ巻きをするならば温度設定は140度以下にして、スタイリング剤はコテ巻きの後につける、という順番を守りましょう。コテ巻きをしなければ見られないような髪の状態になってしまっては、元も子もありませんからね。
まとめ
ハイトーンカラーをしている人は髪のダメージに自覚のある人がほとんどですが、髪を暗く染めている人は「私の髪は大して傷んでいない」という錯覚を起こしていることが。
ここは大変誤解の多い部分なので、今回はその部分を特に念入りに解説させていただきました。自分が普段から習慣的に使っているトリートメント、それぞれの役割の違いを理解しておくことは大変重要。
やっていることは髪に対して適切なのか、プロにお任せすべきダメージなのかが明確になります。スタイリングのやり方も含め、毎日のダメージケアを少し変えるだけでも髪の状態は全く違ってくるものですよ!