私は今風のハイトーンカラーが好きで、カラーをする時はいつも美容院でダブルカラーをするので、ブリーチを必ずやっています。
でも髪の傷みがひどくて、切れ毛や枝毛が多いのが気になるんです…。
美容師さんからは「ケアブリーチをすれば髪が傷まないよ」と毎回おすすめされるのですが、料金が普通のブリーチよりも高いので、迷っています。
もしもケアブリーチにすれば、枝毛や切れ毛に効果が出るのでしょうか?
私は毎朝コテでスタイリングをしますが、髪が乾くのも遅いですし、ものすごく時間がかかって本当に大変です。
できればパーマをかけて朝のスタイリングを楽にしたいんですが、美容師さんからは「ブリーチした髪にパーマは無理」と断られます。
じゃあ髪が傷まないケアブリーチをすれば、パーマもかけられるようになるのでしょうか?
ケアブリーチと呼ばれるメニューは、髪を補強する特殊な成分をブリーチの際に用いる技術の呼称です。ケアブリーチを用いることで、普通のブリーチよりも枝毛や切れ毛はできにくくなります。
しかし、実のところパーマをかけられる髪に戻す力はないものです。正確にはケアブリーチ前の状態でもパーマがかけられるかどうかが焦点なので、分かりやすく解説していきます。
ケアブリーチの種類、普通のブリーチとの違いは?
ケアブリーチとは、美容業界で「プレックス系」と呼ばれる製品を使ったブリーチ技術のことです。髪のダメージを軽減できる新しい髪の補修成分を活用したブリーチのことが、ケアブリーチというメニュー名で呼ばれています。なおケアブリーチでも通常のブリーチでも、ブリーチ剤そのものは従来からあるものと同じ製品です。
私が今まで活用したことがあり、ケアブリーチに用いられる「プレックス系製品」は以下の5つです。メジャーなメーカーの製品が多いですが、使われている成分はそれぞれ異なるうえ、まだまだこれからも似たようなものが出てきます。
- ファイバープレックス (シュワルツコフ)
- オラプレックス (オラプレックス)
- アールブリーチ( ナッシュ)
- スマートボンド( ロレアル)
- マイフォース (ミルボン)
このなかでも特に「ファイバープレックス」が、こういった補助剤の先駆けとして数年前から有名になりました。このファイバープレックスが美容業界内では最も有名な製品です。
そのため、現在でもケアブリーチに最も使われるのはファイバープレックス。得られる結果は製品によって違いがありますが、共通のメリットデメリットも持ち合わせています。
ケアブリーチは髪が本当に傷まない?
ケアブリーチは、ブリーチの前後に専用の毛髪補修成分を使用しますが、ブリーチそのものはいつも使っているブリーチと同じです。それを使うことでブリーチのダメージが激減するというのがケアブリーチのうたい文句。ところが実際は傷んでいないような仕上がりになる傷み方をさせるもので、髪が傷まないわけではないのです。
ケアブリーチで得られる7つの効果とメリット
では傷んでいない髪のような仕上がりになることで、ケアブリーチではどのような効果が得られるのでしょうか?ケアブリーチの効果として得られるメリットは7つあり、そのどれもが今までの単なるトリートメントとは全く違う違う結果をもたらします。
- 傷んだ髪にブリーチを繰り返しても、髪の毛が切れにくい
- ハイブリーチをしても毛先がふにゃふにゃにならない
- ブリーチ後にダブルカラーをしても色むらが起こりにくい
- 仕上がった後の髪の毛が元気
- 未熟な美容師がブリーチをしても大失敗にならない
- 普通のヘアカラーでも効果がある
- メニュートリートメントよりも持ちが良い
①傷んだ髪にブリーチを繰り返しても、髪の毛が切れにくい
普通のブリーチは何度も繰り返すと髪が大変弱くなり、切れ毛を起こしやすくなります。ところがケアブリーチの場合は繰り返しても髪の強さを維持できるため、切れ毛ができにくい状態です。
②ハイブリーチをしても毛先がふにゃふにゃにならない
通常は金髪以上のハイブリーチをすると、髪の弾力が失われて毛先がふにゃふにゃになってしまうのが一般的。さらにダメージの影響で乾きにくい髪になってしまいますが、ケアブリーチを使うと比較的その悪い状態を起こしにくいです。
③ブリーチ後にダブルカラーをしても、色むらが起こりにくい
通常ダブルカラーを行うと、毛先などのハイダメージ部分はカラーの色素が沈みこんで暗く仕上がる失敗を引き起こしやすいです。しかしケアブリーチを使うことで、ダメージによる色ムラの失敗が起こりにくくなります。
④仕上がった後の髪の毛が元気
普通のブリーチをした後の髪は、見た目もパサパサしますし手触りもひどくごわつきます。ですがケアブリーチを使った場合はあまりそれを感じず、むしろブリーチ前よりも髪の毛が元気になったような仕上がりです。
⑤未熟な美容師がブリーチをしても、大失敗にならない
ブリーチは本来ムラなく仕上げるのが最も難しいカラー技術。色素が全く入らないため、ヘアカラーを塗る技術の上手い・下手が仕上がりの明るさのムラで分かってしまうのです。
ですがケアブリーチの場合は多少時間を置きすぎても塗り方が未熟でも、金髪以上まで脱色すると色ムラが見えにくいという特徴があります。もしもまだ経験の浅い美容師がブリーチを塗っても、そこそこの出来に仕上げられるのです。
⑥普通のヘアカラーで使っても効果が得られる
ケアブリーチに使われる製品はブリーチ以外のカラーでも活用可能です。普通のヘアカラーをやる時にケアブリーチ専用の補修成分を使っても、同じような効果を得られます。
⑦メニュートリートメントよりも持ちが良い
通常のメニュートリートメントは、ホームケアをしなかった場合2週間~1ヵ月の持続期間です。そしてケアブリーチの場合は1ヵ月半~2か月の長期にわたって効果が持続します。
ケアブリーチ5つのデメリット
普通のトリートメントでは得られないような多くのメリットが得られるケアブリーチ。一方でケアブリーチ特有のデメリットも5つあります。
- 明るくするのに少し長い時間が必要
- ケアブリーチに使われる製品の価格が高い
- 時間経過とともに効果がなくなっていく
- 「ダメージ軽減」の効果に疑問点がある
- 頭皮の痛さは変わらない
①明るくするのに少し長い時間が必要
ただのブリーチだけをする場合と比べて、ケアブリーチは髪に+αの成分を上乗せします。その影響で数分の違いではありますが、髪が明るくなるのに長めの時間が必要です。
②ケアブリーチに使われる製品の価格が高い
これまでにもヘアカラーやパーマの前後・途中などに用いられるものはいろいろとありました。ですがケアブリーチに使われる製品のお値段は、メニュー料金に上乗せが必要になる価格です。
③時間経過とともに効果がなくなっていく
一般的なメニュートリートメントに比べ、ケアブリーチの効果は確かに長持ちします。しかしその効果は決して永続的ではなく、時間とともになくなっていくものです。
なおケアブリーチの効果が持続する期間は、長くても2か月以内。つまりケアブリーチのケア効果は半永久ではなく限定的なので、持続させたい場合は効果が切れる前に繰り返す必要があります。
④「ダメージ軽減」の効果に疑問点がある
ケアブリーチの謳い文句は「ダメージ〇〇%軽減!」といった内容のことが多いです。ところが健康な髪にはきれいにかかるはずのパーマが、ケアブリーチをした髪にはかからないという事実があります。
しかも、既にブリーチをされた後の髪にケアブリーチの成分を使ってヘアケアを施しても、パーマがかかる髪には戻らないという事実もあるのです。正直なところダメージの軽減効果と、健康毛の指標であるパーマのかかり具合に明らかなズレを感じます。
⑤頭皮が痛いのは変わらない
ブリーチは大変刺激が強い部類のカラー剤ですので、頭皮に付くことで痛みを感じる人の割合も多くなります。しかし残念ながら、ケアブリーチでも頭皮の痛みには差がない模様です。
ケアブリーチのお値段はなぜ高い?
ケアブリーチの際に使われる専用薬剤は、美容室で使われる薬剤でもかなりのハイコスト。その材料コストとケア効果の付加価値が価格に上乗せされています。
しかもブリーチとは、求める仕上がりの明るさによっては2度、3度と繰り返し行うものです。2回目、3回目のブリーチもケアブリーチにしなければならないので、やはりお値段は上がってしまう傾向にあります。
ケアブリーチって、自分でできないの?
結論から言うと、セルフケアブリーチは可能です。ケアブリーチに使われる製品を購入することができれば、自分でもケアブリーチができます。
とはいえ本来、カラーリングによる髪の傷みは、プロの美容師が薬剤の塗り分けをすることでしか正確にコントロールできません。ケアブリーチの成分さえ使えば何度セルフブリーチを繰り返しても髪が無傷!とはならないので、自己判断でのセルフケアブリーチはあくまで自己責任です。
まとめ
今までのトリートメントでは不可能だった、ブリーチをしながら髪を強化できるケアブリーチ。しかしながらパーマがかからない・効果が限定的であることなど、ケアブリーチ=髪が傷まない、ではないということを裏付ける事実も存在します。
ケアブリーチで得られる効果とは、髪を強くするというよりも健康毛とは別物の髪に変える効果です。
その影響でパーマはうまくかからない髪になること、一定期間で繰り返さないと髪の状態が悪化する可能性が高いことも知ったうえで、無茶をしない程度にケアブリーチと付き合っていきましょう。