ヘアカラートリートメントの失敗しない使い方は?5つの裏技で、染まりとコスパが飛躍的にアップする!

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簡単に使えるのに、髪を傷めない毛染め剤として人気の「ヘアカラートリートメント」。一方で「思っていたような色に染まらない」「すぐに色が抜ける」といった失敗の悩みも多く見受けられます。

ヘアカラートリートメントが失敗してしまう原因は2つあり、「色の選び方」と「使い方(塗り方)」に問題があるからです。

また、ヘアカラートリートメントは「ヘアマニキュアと同じ」だと解説しているサイトもありますが、染料の成分が全く違います

今回はヘアカラートリートメントの正しい知識と失敗しない使い方。

そして色の自由とコスパを飛躍的にアップさせる5つの裏技も出し惜しみなくご紹介しますので、ぜひ最後までご覧になって下さい。

目次

ヘアカラートリートメントってどんなもの?

「塩基性染料」もしくは「HC染料」と呼ばれる成分で染める染毛剤を「ヘアカラートリートメント」と呼びます。言い換えるなら「色付きのトリートメント」というのが一番的確な表現です。

ヘアカラートリートメントとヘアカラーは、具体的に何が違う?

最も違うのは染料の種類です。一般的なヘアカラーは別名「酸化染料」と呼ばれ、バリエーション豊かな色味と、長期間の色持ちに優れた染料が配合されています。

なお脱色作用を持つタイプのヘアカラーは髪を傷めますが、脱色しないタイプのヘアカラーは髪をほとんど傷めません。
(一般的なヘアカラーは、染まる明るさに関係なく脱色作用を持つタイプの製品です)

一方、ヘアカラートリートメントはあくまで「色付きのトリートメント」なので、髪に対してトリートメント効果が働きます。

ヘアカラートリートメントとヘアマニキュアは同じ?

ヘアマニキュアに配合されている染料は「酸性染料」と呼ばれ、ヘアカラートリートメントの染料とは全く別物です。

少し専門的な知識になりますが、ヘアカラートリートメントは「アルカリ性の条件下」で染まりやすいのに対し、ヘアマニキュアは「酸性の条件下」でよく染まります。

このあたりはどうやら、ヘアカラートリートメントを販売しているメーカーさん自身が正確な違いを分かっていない様子です。

「染まりやすい髪」が変わる

ヘアマニキュアとヘアカラートリートメントは、化学的な液性が真逆です。(分かりやすく例えると、「クエン酸」と「重曹」の違いによく似ています)

その違いは「健康な髪に染まりやすいか、傷んだ髪に染まりやすいか」という明確な違いであらわれます。

ヘアマニキュアは健康な髪でも染まりやすいのに対し、ヘアカラートリートメントは傷んでいる髪の方が染まりやすいです。

ヘアカラートリートメントの用途は2種類

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  1. 新しく生えてきた、根元の白髪を染める
  2. もともと明るく染まっている髪をカラーチェンジする[/su_note]

白髪染めが目的のヘアカラートリートメントは、ブラウン~ブラック系の濃い染料バランスです。

カラーチェンジ目的のヘアカラートリートメントには、ブラウン系以外のショッキングピンク~ターコイズブルーまで、豊富なカラーバリエーションが揃っています。

(ブリーチした髪に、ピンク系ヘアカラートリートメントを乗せた色)

ヘアカラートリートメント5つのメリット

一般的なヘアカラーで問題になる、頭皮や髪のトラブルが起こりにくいヘアカラートリートメント。ここではヘアカラートリートメントのメリットを5つご紹介します。

  1. 毛染めしながらトリートメント効果が得られる
  2. ヘアカラーアレルギーの人でも染められる
  3. ヒリヒリする刺激がない
  4. お風呂で簡単に染められる
  5. 皮膚に色が染まりつきにくい

①毛染めしながらトリートメント効果が得られる

ヘアカラートリートメントは髪が傷まないどころか、染めた後の方がしっとりした髪に仕上がります。

②ヘアカラーアレルギーの人でも染められる

ヘアカラートリートメントには、カラー剤アレルギーの原因成分「ジアミン系染料」が含まれません。一般的な毛染めでかぶれてしまう人でも、安心して使えます。

③ヒリヒリする刺激がない

ヘアカラー剤のヒリヒリ感をもたらす原因は、配合された「アルカリ剤」と「脱色剤」です。ヘアカラートリートメントにも、染まりを良くする目的で微量のアルカリ剤が配合されてます。

とは言っても、脱色剤が入っていないヘアカラートリートメントは低刺激です。敏感肌の人が使用しても、頭皮に不快な刺激を感じすにで染められます。

④お風呂で簡単に染められる

一般的な市販カラーには「入浴中に使用しないでください」という注意書きがあります。

ヘアカラートリートメントは万が一目に入っても、リンスと同程度の刺激感。安全で、思いついたときにすぐ染められるのは大きなメリットです。

⑤皮膚に色が染まりつきにくい

ヘアカラーやヘアマニキュアと比較して、ヘアカラートリートメントは頭皮や顔に染まりついてしまった色が落としやすいです。製品によっては、素手のまま使えるヘアカラートリートメントも存在します。

ヘアカラートリートメント4つのデメリット

髪を傷めない、刺激がないというメリットがある反面、ヘアカラーほど色味の自由が利かないのがデメリットです。ヘアカラートリートメントの具体的なデメリットは4つ挙げられます。

  1. 現在の髪色よりも、明るい色には染められない
  2. 色持ちの期間が短い
  3. 白髪が完全には染まらない
  4. 髪の根元よりも、毛先がよく染まりやすい

①現在の髪色よりも、明るい色には染められない

ヘアカラートリートメントには脱色力がないため、今現在の髪色「以下」の明るさに染まります。色見本を見て「今より明るい色にも染められる」と誤解してしまう人が多いようです。

②色持ちの期間が短い

ヘアカラートリートメントの成分はとても小さいので、髪の中に入りやすい反面、数日で色が抜けてしまうのです。一般的なヘアカラーは染料が小さな状態で髪の中に入り、発色し始めると染料が大きくなるので、髪から抜けにくくなります。

ヘアカラートリートメントが、色持ち面でどうしてもヘアカラーに及ばないのは、このような染まる仕組みの違いがあるからです。

③白髪が完全には染まらない

普通の白髪染めは、黒髪を明るくしながら同時に色を入れているので仕上がりが一色に見えます。一方、ヘアカラートリートメントで染めた後の白髪は、「もともと黒かった髪」と「染まって暗く染まった髪」の2色が混ざった染まり方です。

ヘアカラートリートメントだけで完全な一色には染められないので、妥協が必要な部分かもしれません。

④髪の根元よりも、毛先がよく染まりやすい

これは、ヘアカラートリートメントが持つ特性「傷んだ髪ほど染まりやすい」の影響です。

この特性を有利に生かせるシーンは「金髪に脱色した髪の中間~毛先を、ピンクのヘアカラートリートメントで染めるデザインカラー」といった活用法。

気になる根元の「白髪染め目的」でヘアカラートリートメントを使う時は、デメリットとして働く特性です。

ヘアカラートリートメントの色選びは、どうやって選ぶ?

「ハイトーンのアッシュベージュを維持したい」といった目的でヘアカラートリートメントを活用するなら、必要なのは配合された色素が少ないものです。

豊富なカラーバリエーションとコスパの良さで、「エンシェールズ カラーバター」という商品が根強い人気を誇ります。

なお、白髪染め目的でヘアカラートリートメントを選ぶなら、色はダークブラウン「一択」です。

白髪を明るめに染めたい人でもダークブラウンを選ぶべき理由については、後ほど解説します。

ヘアカラートリートメントを好きな色に染める3つの裏技

色ムラの防止には、濡れた髪での使用が効果的。なぜなら、均一に濡れている髪の方が均一に色素を吸い込むからです。

「もっと明るく染めたい・濃く染めたい」という悩みには、3つの裏技が活用できます。

  1. 「ライトナー」または「ブリーチ」で、事前に髪色をトーンアップしておく
  2. 「尿素」を混ぜる
  3. 「アルギニンパウダー」を混ぜる

「ライトナー」または「ブリーチ」で、事前に髪色をトーンアップしておく

あまり聞き慣れない「ライトナー」というのは、染料が入っていないカラー剤のことです。ジアミンアレルギーの人でもかぶれを起こしません。

同じく「ブリーチ」も染料無配合なので、カラー剤アレルギーの人でも問題なく使えます。ライトナーの方が、トーンアップする力・髪のダメージともにマイルドです。

ひと手間かかる代わりに、地毛を脱色してからヘアカラートリートメントを使うことで2つの効果が得られます。

  1. 地毛よりも明るくて、均一な色に染まる
  2. ヘアカラーアレルギーの人でも、明るくキレイな色に染められる

穏やかな脱色力で、その時に使いたい分だけ使える便利なライトナーはこちらです。商品名では「ナチュラルブリーチ」という名前になっています。

 「尿素」を混ぜる

手作り化粧品の保湿成分として用いられる「尿素」。実はヘアカラートリートメントに1つまみ混ぜることで、染料の浸透力がアップして染まりが良くなるのです。トリートメントのしっとり感が増す効果も期待できます。

 「アルギニンパウダー」を混ぜる

サプリメントとして販売されている「アルギニンパウダー」。アルギニンは別名「塩基性アミノ酸」と呼ばれ、アミノ「酸」であるにも関わらず、アルギニンの水溶液はアルカリ性を示します。

ヘアカラートリートメントの特性「アルカリ性でよく染まる」を思い出しましたか?アルギニンパウダーを1つまみ混ぜたヘアカラートリートメントは、根元の白髪にも色が入りやすいです。

おまけに色持ち期間も3~4日アップします。原料がアルギニンだけのものでしたら、どのアルギニン粉末でも成分は一緒です。必要な容量のものを選んでください。

 ヘアカラートリートメントのコスパを飛躍的にアップさせる2つの裏技

美容院でヘアカラーしてもらうよりも割安になるとはいえ、頻繁に使う必要があるヘアカラートリートメント。馬鹿正直に使っていると、意外とコストがかさむのです。

ヘアカラートリートメントがどんな性質のものなのか、美容師という職業柄、熟知している私ならではの裏技活用法を内緒で2つお伝えします。

  1. 敢えて「希望色より暗め」をチョイスする
  2. 染める必要がない部分は「普通のトリートメント」を先に塗る

敢えて「希望色より暗め」をチョイスする

実のところ、ヘアカラートリートメントは普通のトリートメントで薄めることが可能です。色素量が多い=暗い色を1つ持っておけば、あなたの好きな濃さに薄めて使用できます。

しかし一般的なコンディショナーだと、ヘアカラートリートメントが柔らかくなりすぎるので使いにくいです。

「ヘアカラートリートメントの薄め専用」としてなら、適度な硬さがあってコスパにも優れた、こちらのトリートメント等がおすすめです。(別にコレ以外でも、薄められます)

 染める必要がない部分は「普通のトリートメント」を先に塗る

特定の部分だけをヘアカラートリートメントで染めたい場合は、事前に「普通のトリートメント」で染まってほしくない場所をガードしてしまいましょう。

これで「最初は良かったけれど、ヘアカラートリートメントを繰り返したら、髪がだんだん真っ黒になってきてしまった…」という失敗をストップ。そして結果的にヘアカラートリートメントの無駄遣いも減らせます。

ヘアカラートリートメントでよくある失敗と、具体的な予防策

普通のヘアカラーと同じように使っていると、原因の分からない失敗が起こるヘアカラートリートメント。ここではヘアカラートリートメントで起こりがちな、6つの失敗の原因と予防策をお伝えします。

  1. 白髪が全然染まらない
  2. 色ムラになった
  3. 髪全体が黒っぽくなってしまった
  4. 色落ちが早すぎる
  5. お風呂場に色が染まりついてしまった
  6. 爪の間が染まってしまった

①白髪が全然染まらない

これには4つの原因が考えられます。思い当たる内容がないか、使い方を見直してみましょう。

  1. 染める前の髪が汚れている
  2. 選んでいる色が明るすぎる
  3. 塗っている量が足りない
  4. 放置時間が短すぎる(できればタイマーで時間を正確に測る。おすすめは防水性があって、頑丈な「ストップウォッチ」

こちらは、私が普段のサロンワークで愛用しているストップウォッチです。キッチンタイマーより壊れにくいので重宝してます。

 ②色ムラになった

均一にヘアカラートリートメントが塗れていても色ムラになってしまう時は、髪の傷み具合にムラがあると考えられます。

なぜならヘアカラートリートメントは、髪が傷んでいる場所ほど染まりやすいからです。毛先が暗くなってしまう場合は、適量のトリートメントで薄めたヘアカラートリートメントを試してみてください。

③髪全体が黒っぽくなってしまった

すでに染まっている場所を、繰り返し染めているのが原因です。

正確に塗り分けできるのが理想的な対処法ですが、難しい場合は「事前トリートメント」のテクニックを駆使して、これ以上黒くなってほしくない髪をガードしてください。

④色落ちが早すぎる

ヘアカラートリートメントは、1週間に1度の使用が適切な使用頻度です。2~3日しか色が持たない場合は、3つのケア策を講じてみて下さい。

  1. シャンプーする時、お湯の温度をぬるめ(38度ぐらい)に設定する
  2. 染めた直後はシャンプーしない
  3. 裏技「尿素ブレンド」または「アルギニンブレンド」で濃く染める

⑤お風呂場に色が染まりついてしまった

浴室全体を、先にシャワーで濡らしておくのが一番の予防策になります。手(皮膚)への染まりつき対策も同様で、乾いた素手ではヘアカラートリートメントを使わないことです。

⑥爪の間が染まってしまった

指先(爪の間)へ、先に普通のトリートメントを付けておくと染まらなくなります。これは「他のもので先回りして、色が入れないようにガードする」という考え方です。

絶対に爪を汚したくない人は、使い捨ての手袋を着用するか、ハケを使ってヘアカラートリートメントを塗りましょう。

ヘアカラートリートメントを使うのは、シャンプー前・後どっち?

商品の説明書によって、記載されている内容はバラバラです。いずれにしても、髪が汚れているとヘアカラートリートメントの染まりに悪い影響があります。

なので私個人が推奨する使い方は、染まりを邪魔する髪の汚れが落ちていて、塗りやすいシャンプー後のタイミングです。

まとめ

今回はヘアカラートリートメントとは一体どんなものなのか?という詳しい解説とともに、お得に使いこなすための応用技も併せてご紹介しました。

ヘアカラートリートメントは手軽に使えて髪が傷まない反面、ヘアカラーほど色の自由が利かないという側面を併せ持ちます。また、どのヘアカラートリートメントを使ったとしても、髪が傷む心配は不要です。

製品によってトリートメント効果に差があるのは確かですが、脱色作用がある普通のヘアカラーで問題になるゴワゴワ感は、まず起こりません。

その代わり、希望通りの色に染めるのがやや難しいので、「トリートメントで濃さをコントロールする」という裏技テクニックを、ぜひ活用してみてください。

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この記事を監修した専門家

角谷滉一

  • ヘアケアマイスター1級
  • 健康管理士1級

都内の美容室『Re+(リプラス)』を運営する、管理美容師。美容と健康のスペシャリスト。専門知識のくわしさと洞察の深さに、業界内でも定評がある。

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