[su_box title=”サロントリートメントの効果に関するお悩み相談” box_color=”#937e8e”]つやつやの髪になんとしてもなりたくて、お値段の張るサロントリートメントをこまめに受けていますが、なかなかなりたい髪質になれません…。自宅でのトリートメントも、できることは精一杯やっているつもり。でも、私のやり方が間違っているでしょうか?それともサロントリートメントって、実際は効果がないものなんでしょうか?[/su_box]
まずサロントリートメントは効果があるものですが、目指す髪の状態によってやるべきことが変わるので、それぞれによってやり方は変える必要のあるもの。中にはサロントリートメントはかえって髪に良くないという意見もありますが、適切に使えば髪に良い効果が得られます。
とはいえ、美容院で行うトリートメントも適切に使わなければ求める効果を得られないことも。今回はあなたの求める、艶のある健康できれいな髪を手に入れるために、具体的にあなたが何をすればいいのか解説していきます。
そもそもトリートメントをすれば健康な髪に戻せるの?
現状の髪の傷みに適切な内容のヘアケアを施せば、髪の状態を良くすることは可能です。死んだ細胞だから直せないという意見もありますが、健康であっても傷んでいても髪とは死滅細胞。一般的に健康な死滅細胞を健康毛と呼び、傷んだ死滅細胞のことをダメージヘアと呼んでいるわけです。
しかし、なぜか激しく傷んだ髪にパーマはうまくかからず、同じく死んだ細胞であるはずの健康毛にパーマはきれいにかかります。つまり、死んだ細胞だからパーマがかからないわけではないということ。
健康毛とダメージ毛の決定的な違いはたった一つ
死滅細胞にパーマがかかり、傷んだ死滅細胞にパーマはかからないという事実。つまり、そもそも死んだ細胞なのかどうかということは、ヘアケアには無関係だということになります。
健康毛とダメージ毛で問題となってくるのは、パーマをかけられる髪なのか、かけられない髪なのか、突き詰めるとその一点。健康毛もダメージ毛も等しく「死んだ細胞」です。
手触りのいいダメージ毛を作るのが目的なのか、パーマがかけられる状態に戻すのが目的なのか、それによってやるべきヘアケアは大きく変わるのです。激しく傷んでしまった髪の場合、自宅ケアだけではケアできない場合も。その場合はやはり、サロントリートメントの力を借りる必要があります。
美容院のトリートメントと自宅でやるトリートメントの違いは?
傷んでしまった髪に対して、美容院で行うトリートメントならではのできる事が4つあります。
- 髪の内部の持続的な補修
- 毛髪の弾力を取り戻すこと
- 髪が本来持っている、「水を弾く性能」を回復させること
- キューティクルの損傷を強力に修復すること
- アルカリ性に傾いてしまった髪のPhをなるべく早く等電点(弱酸性)に戻す手助けをすること
これらを行うための方法は一通りではなく、ダメージの度合い・もともとの髪質によって選択する技法が変わります。一例を挙げると、髪の補修成分として使われるキトサンは、1週間の期間をかけて一部が髪のキューティクルと同化するという性質が。
これは一時しのぎではなく持続的なヘアケアの効果を得られ、それが「自分のものになる」ことを意味します。私はナチュラル、ケミカルの偏りなく「効果が出るもの」という基準で補修成分をチョイスしますが、特に動物性の天然成分が原料になっている修復成分は、髪に馴染みやすい傾向です。
傷んだ髪の補修も、れっきとした一つの技術と言えるもの。つまりカットと同じように、美容師によって仕上がりで得られる結果が変わるものなのです。
この差を生み出すのは美容師によって違うヘアケア知識の理解度です。髪の傷みに対応するノウハウをどれだけ保有しているかによって、美容院トリートメントの仕上がりには大きな違いが生じます。
ホームケアトリートメントの役割とは?
サロントリートメントが傷んだ髪の集中補修が役割なのに対して、自宅で行うトリートメントはサロンで回復させた髪の状態を維持・保全するのが役割です。
サロンでカラーやパーマを行った直後は、髪がとても不安定な状態になるもの。特に髪の状態が不安定になりやすい施術直後1週間は、髪のダメージが進まないように毛髪のPhを弱酸性に保つようにコントロールする必要があります。
「髪をすぐに弱酸性に戻す」のは意外と難しい
美容院では丁寧なヘアケアを行う場合、パーマやカラー工程の途中で中和と呼ばれる処理を組み込みます。とはいえ、その場で完全に理想的な弱酸性の髪には戻しきれないというのが実際のところです。
その場でしっかりと弱酸性に中和しても、アルカリ性の薬剤を使った後の1週間は、髪が自然とアルカリ性に戻りやすくなる傾向が見られます。その期間は髪がとても傷みやすく、不安定な状態なので、特に気をつけてヘアケアを行いましょう。
それ以降の髪は安定した状態に戻るので、Phのコントロールにフォーカスするヘアケアはそこまでです。その後はキューティクルの補強で髪内部の成分が流失しないようにすること、ホームケアトリートメントでできる範囲内で強い髪の状態を維持するのが重要。そこに油分などによる保湿も必要ですが、優先する必要があるのは髪の強さです。
髪が傷む原因を徹底排除するホームケア
自分のなりたい髪になるためには、自宅で行うヘアケアの内容も見直す必要があります。美容院で髪の基礎体力を底上げして、それを維持・保全できるケアが理想です。
自分に必要なヘアケア製品を選ぶためには、あなた自身が正確なヘアケアの知識を身に付ける必要性が。つまり数あるヘアケア製品の中から、どの製品が今の髪に必要なのかを自分で判断できる力を身に付ける必要があるのです。
髪のパサパサの原因!髪の摩擦ダメージを生む3つの習慣
多くの人が悩む、髪のパサパサとした手触りの悪さ。それを生み出す習慣は二つあり、一つは髪の摩擦ダメージを生む習慣、もう一つは髪本来のうるおいや弾力を奪う習慣です。
普段のヘアケア習慣をケアすることで、美容院でトリートメントをしても手触りがすぐに悪くなってしまうという悩みを解消することができます。まずは知らず知らずのうちにやってしまいがちな、髪の摩擦を生み出してしまう3つの原因について徹底解説していきます。
①濡れた髪の間違った扱い方
濡れた髪というのは、あなたが想像している以上にデリケートなもの。激しく傷んだ髪ほど自然乾燥によるデメリットも多くなりますので、決して髪が濡れたまま就寝したりすることのないようにしましょう。
十分に泡立った状態でシャンプーを行う
髪を洗う時、しっかりとシャンプーが泡立っていないと泡がクッションの役割を果たすことができなくなります。髪に必要以上の摩擦が起きてしまう原因になるので、髪が汚れていて泡立ちが悪い場合は、一度さっと流してからもう一度泡立て直すのが正解です。
濡れて絡まった髪は無理にとかさない
傷みが激しい髪ほど濡れたときに絡まりやすくなってしまいますが、それを無理にとかすと髪が切れてしまう原因に。ありがたいことに、最近では絡まった髪が非常にとかしやすいブラシが複数発売されているので、ぜひ活用しましょう。
個人的なオススメは2つあり、「タングルティーザー」「エス・ハート・エス スカルプブラシ プリュス」です。共通する特徴はブラシに「段違い植毛」が施されていることで、これのおかげで絡まったロングヘアでも無理なくスピーディーにとかすことが可能に。
②ノンシリコン製品には固執しない
ノンシリコンのシャンプー、トリートメントや天然オイルに関心が高まっていますが、シリコンは髪の摩擦ダメージを最も軽減できる成分の一つです。シリコンは髪に良くないものだという誤解もありますが、水溶性のシリコンや揮発性のシリコンなど、シリコンにも多くの種類が存在します。
上手に付き合えばシリコンは決して髪に悪いものではなく、むしろ有用なもの。天然オイルにもそれぞれの良さはありますが、摩擦ダメージを最も減らしてくれるのはシリコンオイルです。
ノンシリコンにこだわって髪がきしんでしまっては本末転倒で、摩擦ダメージも助長してしまう結果になります。ノンシリコンの製品には必要以上に固執せず、あなたの髪に適した製品を選ぶようにしましょう。
③髪を乾かす前後の問題点をなくす
髪の摩擦ダメージを減らすためには、マイクロファイーバータオルなどの摩擦が起きにくく、吸水性に優れたタオルを活用するのも賢い選択です。タオルドライが不十分だとドライヤーの時間も長くなってしまい、時間・労力・髪のダメージ、全てでデメリットが増えてしまう結果に。
ドライヤーで乾かすときの注意点として、乾かし始めの段階では濡れた髪の重さが髪を動きにくくするため、早く乾く妨げになるという点が挙げられます。その問題を解決するためには、なるべく風圧のあるドライヤーを使うことです。
早く乾かそうと思うと髪にいきなり熱を当てようとしがちなもの。でもドライヤーで熱を当てるのは見た目には大体乾いてるけれど、触るとまだ湿っている状態にまで水分を飛ばした後が理想です。
乾いた髪に必要以上のブラッシングは危険!
過剰なブラッシングは髪の摩擦を引き起こし、キューティクルをはがす原因になるもの。傷んでいる髪ほどその悪影響が強く出ますので、現時点で髪の傷みに悩んでいる場合はブラッシングを慎重に行いましょう。
ブラッシングはシャンプー前に行うことで頭皮の汚れを浮かせたり、頭皮の血行促進、顔のリフトアップにも効果が見込めるものです。髪にデメリットを与えないためにも、事前にヘアオイルを髪につけるなどして、摩擦が起こらない状態にしてからブラッシングを行うようにしましょう。
なお、髪が乾いた状態で目の細かすぎるクシを使ってとかすのは、髪のキューティクルに負担を与える行為。なるべく目の粗いクシを使うようにして、必要以上に目の細かいクシで髪をとかさないのも大切です。
ヘアアレンジには要注意!
実は「髪を結わく」という行為一つをとっても、切れ毛を誘発するなど、髪には結構な物理的負荷がかかるもの。髪をサッと上げておきたい場合は、バナナクリップやバネ状のゴムなど、髪の負担が少ないアイテムを活用するのがおすすめです。
ヘアアレンジを丁寧に作りこもうとすると、編み込みを崩すために髪を引っ張り出したり、逆毛を立てたりする必要があります。このヘアアレンジの工程一つ一つが髪を傷ませてしまうので、十分に気を付けたい部分です。
ヘアアレンジをやりたいときは摩擦を減らすため、必ずヘアクリームなどをなじませてから行いましょう。そのほう方が髪がパラパラ落ちなくなりますし、ヘアアレンジ自体がやりやすくなります。
摩擦を減らすスタイリング剤は積極活用
摩擦ダメージはほんのちょっとしたことでも誘発されてしまうもの。例えば外出時の強風で、乾いた髪同士が擦れ合うだけでも摩擦ダメージが発生します。これを防止するためには帯電防止成分の入ったつや出しスプレーが効果的。摩擦ダメージを大きく軽減することができますので、ぜひ活用しましょう。
[su_box title=”髪の摩擦ダメージを減らすポイント!” box_color=”#937e8e”]特に濡れた髪は丁寧に扱うことが大切。乾いた髪でも、物理的に髪を傷めてしまわないためのアイテムは積極活用しましょう![/su_box]
手触りの悪い髪をもたらす5つの習慣
ゴワゴワとした嫌な手触りは、主に髪の内部が傷むことによって引き起こされる手触りです。その原因となっているのは5つの習慣。美容院のトリートメント効果を無駄にしないためにも、日常的に髪内部を傷める習慣はケアしていきましょう。
①毎朝のヘアアイロンを使ったスタイリング
毎朝高温のヘアアイロンを使ってスタイリングすると、髪の表面・内部ともに大きな負担がかかります。髪の保水力・弾力・キューティクルのなめらかさ全てに悪影響があるので、十分な注意が必要。
髪は「髪自体の温度」が75度以上になることで熱によるダメージを受けるもの。例えば120度のアイロンを当てた場合、髪の表面の温度は「80度」。もしも毎日ヘアアイロンを使うのであれば、120度以下の温度設定で使用するのがオススメです。
いちどに分厚い毛束をとらなければ、100度~110度の温度設定でもちゃんと形が付きます。毎日アイロンを使う場合はなるべく少ない毛束を取って、短い時間で形をつけるというスタイリング法を使いましょう。
湿気の多い日や絶対に髪型を崩したくない勝負の日は高温のアイロンでスタイリング。日常使いは低温というように、温度の使い分けができると一番です。
②シャワーの温度にも注意を!
しっかりとシャンプーを泡立てた後のすすぎでは、理論上は33度のお湯ですすぐのが最も美容院のトリートメント効果が長持ちするお湯の温度。さすがにそれでは冷たいので、現実的には38~39度前後のお湯が落としどころとなります。
特に冬場は無意識にお湯の温度を上げてしまいやすいので、温度を上げすぎてしまわない意識が必要です。髪のパサパサ、ゴワゴワで悩む人に共通する習慣が、普段使っているシャワーの温度設定が高すぎることです。
高温のお湯はヘアカラーの持ちも著しく悪くしますし、毎日繰り返すことなので、とても重要。お金をかけずに今すぐ変えられる習慣の一つなので、心当たりがある場合は見直してみましょう。
③市販・サロン品にかかわらず、自分で染めないこと
市販のカラーも美容院のカラーも、基本的な染める仕組みは同じものです。傷ませないためにはカラー剤の種類以前に塗り分けができることが最重要。
無計画に全体染めを繰り返せば、美容師が美容院のカラーを使って染めたとしても髪はひどく傷むもの。つまりどんなカラー剤を使っても根元と中間・毛先の正確な塗り分けができないと髪は傷んでしまいます。
たとえ本職の美容師でも「自分の髪を正確に塗り分けしなさい」と言われたら、無理です。そのぐらい難しいことなので、せっかくお金をかけた美容院のトリートメントの効果を無駄にしないためにも、自分で染めないようにする、これを必ず守りましょう。
④傷んでいる髪に石鹸シャンプーは負担大!
パーマやカラーを一切施していない健康な髪であれば、石鹸シャンプーを使っても問題がない場合もあります。しかし石鹸シャンプーはアルカリ性で洗浄力が高すぎるため、美容院のトリートメントの効果がすぐになくなる原因になります。
石鹸は脱脂力が高い部類の界面活性剤です。髪の油分を取りすぎてしまうので、トリートメントのもちということを考えると純粋に石けん成分で作られたシャンプーは避けたほうが無難でしょう。
⑤必要以上に髪を引っ張らないように注意!
傷んだ髪は引っ張るという行為でも更にダメージするもの。濡れてデリケートな髪はもちろんのことですが、乾いた髪を乱暴に髪をかき上げたりしたりしないよう、優しい扱いを心がけましょう。トリートメントのもちどころか、切れ毛を作ってしまうことにも繋がってしまう行為です。
まとめ
髪の傷みに悩む多くの人が、知らず知らずのうちに負のスパイラルに陥ってしまっているもの。既に傷んでいる髪ほど余計に傷みやすく、普段の習慣でますます傷めてしまうという悪循環です。
しかも美容院のトリートメントの定着度合いは、皮肉なことに健康毛に近いほど高くなるもの。ハイダメージの髪を回復させる方が難易度は上がり、美容師にヘアケアの深いノウハウが必要です。
髪の傷みは予防に徹することが一番大切。もしも傷めてしまった場合は美容院で髪の基礎体力を底上げして、それを維持する毎日のヘアケア習慣で状態の良い髪を持続させましょう。