シリコン入りシャンプー6つのメリットと5つのデメリット。シリコンは実際何が悪い?見分け方と選び方まで徹底解説!

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ノンシリコン=良いシャンプーというイメージが根付いている昨今。そもそもシリコン入りシャンプーの、何がどう悪さをするのでしょうか?

実際には配合されたシリコン自体に毒性などはなく、問題になるのは髪へ過剰なシリコンが残留してしまった場合です。

今回はなぜシリコンが「悪いもの」と認識されるようになったのか?

そもそもの原因から始まり、そしてシリコン入りシャンプーが持つ6つのメリットと7つのデメリット、見分け方や選び方まで徹底解説します。

目次

そもそも、なぜシリコンが悪いものだと認識されるようになった?

事の発端は、2006年まで遡ります。当時の資生堂が、多数の女優さんと嵐の楽曲をCMに起用して「TSUBAKI」を発売しました。

その頃はロングヘアが非常に流行っていた時期で、髪のパサつきをより強くケアできる商品が求められていた時期です。しかし椿油×シリコンの重い皮膜を作るTSUBAKIを使って、髪を乾かしてもベタベタなままになる人が続出しました。

当時は美容室でも対処法がなかった上、ヘアカラーの染まりが悪くなったり、パーマがかからないという弊害をもたらしたのです。

何度洗っても取れないベタつきが問題となり、そのアンチテーゼとしてノンシリコンの言葉が台頭する流れとなりました。

(TSUBAKIに限らず、当時のシャンプー&コンディショナーは非常に重い仕上がりのものが多かったです)

シリコン入りシャンプー6つのメリット

 

シリコンに対して悪いイメージが付きまとう反面、ノンシリコンシャンプーで感じるしっとり感の物足りなさに不満を感じる人も多いです。

シリコンがシャンプーに必要か不要かという議論はさておき、シリコン入りシャンプーが持つ6つのメリットを解説します。

  1. きしまないシャンプーが簡単に作れる
  2. クシ通りが良く、切れ毛を予防しやすい
  3. かなり傷んだ髪でもツルツルに洗い上がる
  4. 広がるくせ毛をボリュームダウンさせやすい
  5. 毛穴は塞がれず、刺激もなく安全
  6. ドライヤーの熱からキューティクルを守れる

①きしまないシャンプーが簡単に作れる

いわゆる石油系(高級アルコール系)の洗浄剤がメインのシャンプーでも、シリコンを入れることでツルツルの洗い上がりが作れます。低コスト&きしまずツルツルの指通りを両立させるためには、シリコンがほぼ不可欠です。

②クシ通りが良く、切れ毛を予防しやすい

髪が傷んでいなくても、もともと絡みやすい髪質の人はいます。手ぐしやブラシがひっかかかると切れ毛ができてしまいますが、シリコン入りシャンプーはクシ通りに優れるため、切れ毛を防ぎやすいのです。

③かなり傷んだ髪でもツルツルに洗い上がる

ヘアカラーの繰り返しなどで髪が傷むと、シャンプー後にきしみを感じるようになるのが一般的です。ところがシリコン入りのシャンプーを使うと、髪のダメージが相当進んでいる髪でもきしまずツルツルの洗い上がりにできるのです。

④広がるくせ毛をボリュームダウンさせやすい

ノンシリコンのシャンプー&トリートメントに共通する使用感は、髪の軽さを感じることです。しかし膨張しやすい髪質の場合は、シリコン入りシャンプーのほうがボリュームダウンさせやすいというメリットがあります。

⑤毛穴は塞がれず、刺激もなく安全

化粧品原料として正しい呼び名は、シリコンではなく「シリコーン」です。シリコーンは頭皮から体内に侵入して悪さをするようなことはなく、ファンデーションなどのメイクアップ品にもよく使われています。

なのでシリコンが抜け毛の原因になったり、アレルギーの原因になってかぶれたりすることはなく安全な成分です。

⑥ドライヤーの熱からキューティクルを守れる

オイルの中でも、シリコーンオイルは伸びが抜群に良いです。そのうえシリコンは安定性が高く、熱による酸化の影響を受けません。

そのためシリコンは、ドライヤーやコテの熱から髪を守りやすい成分です。

シリコン入りシャンプー5つのデメリット

問題となるのは、必要以上のシリコンが髪と頭皮に残り続けてしまった場合です。シリコン入りシャンプーで起こる可能性があるデメリットは6つあります。

  1. シリコンに頼り切りだと、髪の傷み具合を誤認する
  2. 髪に必要な栄養成分が浸透できなくなる
  3. 洗浄力が高い成分+シリコンは、洗いすぎの髪にラップをした状態
  4. 美容師が髪質診断をミスする原因になる
  5. シリコンの「ビルドアップ」で髪と頭皮のトラブルが起こりやすくなる

①シリコンに頼り切りだと、髪の傷み具合を誤認する

特に、元の髪質がサラサラヘアの人で起こりやすい問題です。髪の中がボロボロに傷んで弱り切っていても、指通りの良さと見た目判断で「髪が傷んでいない」と思い込んでしまいます。

その結果、急に切れ毛ができてしまったりするので、注意が必要な問題です。

②髪に必要な栄養成分が浸透できなくなる

髪内部へ補給すべき栄養成分は、アミノ酸やPPT(アミノ酸の大きいもの)・セラミド類などいろいろです。ところがシリコンの割合が多いシャンプー&トリートメントを連用していると、それらの栄養成分が入れなくなってしまいます。

③洗浄力が高い成分+シリコンは、洗いすぎの髪にラップをした状態

これは例えるなら、脱脂力の強い石けんで顔を洗った直後にオイルを塗ってしまう行為に似ています。気が付かないうちに、髪から保水するための栄養成分がどんどん流れ出ているのです。

この状態は、市販品の500円前後で買えるシャンプーを使っている人に、漏れなく起こっています。

④美容師が髪質診断をミスする原因になる

髪質診断は、髪が乾いている時と濡らした後の、両方で見ないと正しい診断ができません。ところが、もしも美容師が乾いている髪だけで髪質診断を行った場合、ヘアカラーやパーマの仕上がりがズレてしまう原因になりえます。

⑤シリコンの「ビルドアップ」で髪と頭皮のトラブルが起こりやすくなる

シャンプーとトリートメントの両方にシリコンが入っていると、髪にシリコンの皮膜が蓄積する現象(「ビルドアップ」と呼びます)が起こりやすくなる傾向です。

通常は頭皮へ無害なシリコンでも、ファンデーションを塗りっぱなしの肌になってしまうと考えると、何かしらの問題はありそうですよね。髪に関しては、前述した発売当初のTSUBAKIと同様の問題が発生します。

シリコン入りシャンプーとノンシリコンの見分け方は?

 

「ジメチコン」が最も代表的なシリコンの成分として挙げられますが、シャンプーやコンディショナーに配合されるシリコンは種類が多いです。簡単な見分け方として「~メチコン」という表記がある場合は、シリコン類だと思って間違いありません。

実際にはその見分け方から漏れる成分と言いますか、シリコンでなくても皮膜を作る成分は色々とあります。(例えばこの成分表で「ポリクオタニウム-49」という成分は、シリコン以外の皮膜を作る成分です)

シリコン入りシャンプーとノンシリコンシャンプー、どちらを選んだら良い?

この質問に2択の答えはありません。なぜならシリコン配合の有無だけでは、シャンプーの良し悪しが比較できないからです。シャンプーの比較は洗浄成分(どんな界面活性剤がメインのシャンプーなのか)が本来の焦点。

おまけにトリートメント(コンディショナー)が、シリコンだけの効果に頼りっきりなのは問題だと思います。しかしながら、シリコン系成分が表示順として6~7番目以降に配合されているのであれば、皮膜によるビルドアップ問題は起こさない程度の配合量です。

まとめ

シリコン入りシャンプーが悪者扱いされるようになったのは、2006年に発売された資生堂「TSUBAKI」の影響で、ベタベタ髪が問題になったからです。

「しっとり感」を通り越して、髪のベタつきが取れなくなるほど皮膜成分類がビルドアップ(蓄積)してしまったことへのアンチテーゼが「ノンシリコン売り」に変貌しました。

シリコンに頼りっきりのヘアケアが良くないのは、以前も今も同じです。潜在的な髪のダメージを放置すると、いきなり髪が切れてしまったり、ハイダメージの影響で乾きにくい髪になってしまいます。

市販の500円台で購入できるシリコン入りシャンプーに、ケアの質は期待できません。(1,000円くらいの製品でも、ケア成分はほぼないですね)少しお値段は張っても、長い目で見た時の安全性が大事です。

なるべく早めに、キャッチコピーや香りだけではなく洗浄成分ベース上質なシャンプーを選ぶ判断基準へ切り替えましょう。

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この記事を監修した専門家

角谷滉一

  • ヘアケアマイスター1級
  • 健康管理士1級

都内の美容室『Re+(リプラス)』を運営する、管理美容師。美容と健康のスペシャリスト。専門知識のくわしさと洞察の深さに、業界内でも定評がある。

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