他人とすれ違ったときに、ふと漂ってくる頭の嫌なニオイ。
しかし「頭が臭い」と指摘するのは実に勇気の要ることで、むしろ自分の頭からは、変なにおいがしていないかな?と不安になってしまう人もいることでしょう。
それに頭が臭くなる原因は「頭皮が臭い」のか「髪が臭い」のかで全く異なり、頭皮は主に分泌物(皮脂・汗)と汚れが臭いの原因になります。
それに対して「髪の毛」そのものは悪臭を持たない素材なので、髪が臭くなるのは外的要因によるものです。
今回は頭が臭くなる原因「頭皮の臭さ」と「髪の臭さ」それぞれの原因にストライクの対処法を解説します。
頭皮が臭くなる5つの原因と対処法
理想的な頭皮環境を保つのは意外と難しく、洗髪不足でも、洗いすぎでも頭皮の臭いが発生してしまいます。
そして頭皮から分泌される皮脂の量は、不規則な生活習慣に起因するホルモンバランスの乱れで増減するのです。
この項目では、頭皮から嫌な臭いがするシーン別でその原因と的確な対処法を明らかにします。
1.つむじ付近から納豆のような臭いがする原因は?
臭いが発生する原因は、頭の「Uゾーン」と呼ばれる生え際~頭頂部付近が適切に洗えていないからです。
Uゾーンからは、顔の皮脂テカリで有名な「Tゾーン(額~鼻エリア)」と比較して2倍の皮脂量が分泌されます。
頭皮に余分な皮脂汚れを残さないためには、簡単に正しく洗えるシャンプーブラシを使用するのが効果的です。
そしてもう一つの注意点が、コンディショナーの付け方についてです。
普段からコンディショナーを「頭頂部の根元からベッタリ」付けていると、すすぎ残しを作りやすくなります。
つまり「酸化した皮脂」と「余分なコンディショナー」がシャンプー時に落としきれていないことで、納豆のような悪臭を放つのです。
髪が多い人&長い人は特に意識を
特に、髪が長い人・多い人は髪を「オールバック状態」でシャンプーしていると、髪の重なりが洗髪を妨げます。
よく指を通しながらシャワーですすぐことが、つむじ周辺の洗い残しを作らないために重要なポイントです。
2.頭皮を「指の腹でこする」と臭く感じる原因は?
酸化した皮脂の量が多いエリアほど、頭皮を指の腹でこすった時に臭いがします。
つまり、指の腹でこすって臭いの強い場所は洗い不足なので、シャンプー時に丁寧な洗い方を心がけましょう。
3.汗をかいたときにモワっと臭う原因は?
頭皮から分泌される汗は、主に「エクリン汗腺(小汗腺)」から分泌されます。
エクリン汗腺から出る頭皮の汗は、脇の臭いの原因となる「アポクリン腺(大汗腺)」から分泌される汗よりも粘りがなくサラサラで、臭いも少なめです。
しかし「臭いが少ない」とは言っても、頭皮の汗にも多少の臭いが付いています。
髪の毛で蒸れやすい頭皮は、分泌された「汗の臭い(汗臭)」と「皮脂の臭い(皮脂臭)」が混ざり合うことで、モワっと臭う頭皮臭に変化するのです。
食事内容も頭皮の臭いに影響がある
汗臭と皮脂臭は、食事内容が肉食に偏るほど強くなる傾向です。また、ラーメンの背脂などに代表される「過酸化脂質」も皮脂臭を助長します。
洗い方と一緒に、食事内容の見直しも行いましょう。
4.朝晩念入りに洗っても頭皮が臭くなる原因は?
シャンプーをやりすぎると、カサカサの頭皮は乾燥を皮脂で補おうとするため、かえって皮脂の分泌量が増加してしまいます。
要するに「洗いすぎ」が臭いの原因なので、むしろ洗浄力のマイルドなシャンプーに切り替えて、洗髪頻度も減らすのが解決策です。
髪の毛が臭くなる5つの原因と対処法
「毛髪」という素材そのものは悪臭を出さないので、臭いの原因は外的要因に由来するものです。
次の項目からは、髪の臭いの種類別で原因と的確な対処法を解説します。
1.髪から洗濯物の生乾き臭がする原因は?
一番の原因は、半乾きの髪を放置していることです。頭皮に残った古い角質や皮脂は、雑菌のエサになります。
不快な生乾き臭を阻止するためには、お風呂から出てすぐにドライヤーで髪を乾かすのがファーストステップです。
タオルの生乾き臭は、髪にも移る
また、洗濯に失敗して臭くなったタオルで頭を拭くことで、「臭い」と「雑菌」が髪に移ってしまうこともあり得ます。
使用するタオルは定期的にハイターで消毒するなどして、常に雑菌の少ない清潔なタオルで髪を拭くようにしましょう。
2.髪が鉄臭くなる原因は?
これには2つの原因が考えられます。
- 髪を洗うシャワーの水が、何らかの理由で鉄臭い
- 「オハグロ式」と呼ばれる、鉄の化合物で染める白髪染めの残臭
①は髪を洗ってから時間が経過するほど、鉄臭さが薄らいでゆくという特徴を持ちます。
水が鉄臭くなる原因は様々なので、設備関係の調査まで必要になるかもしれません。
②の臭いは、毛染めを行ってから1か月ぐらい続くことがあります。
この「鉄臭さ」はオハグロ式白髪染めの持つ特性なので、一定期間は消せない臭いです。
3.髪をシャワーで濡らした時に臭う原因は?
髪が乾いている時はほとんど臭わないのに、髪が濡れた時だけ臭くなるのは、主に「システアミン」と呼ばれるパーマ液成分が原因です。
(システアミンは、現在最も主流で使われているパーマ液成分)
この「システアミン」が配合されたパーマ液には独特の性質があり、使用中の臭いよりも残臭が想像以上の長期間続きます。
他のパーマ液成分に由来する臭いは1週間ほどでなくなるのに対し、システアミン由来の臭いは1か月経過しても続くことがあるのです。
パーマ液が原因のサインは「土臭さ」や「下水臭さ」
髪が土臭い、もしくは下水のような臭いがする時は、システアミンが悪臭の原因である可能性が高くなります。
現状ではこの臭いを早く消す方法がないので、良い香りでカバーしながら、時間経過で臭いが薄れるのを待つしかありません。
4.タバコの臭いがすぐ髪に移ってしまう原因は?
健康な髪よりも、傷んでいる髪の方がタバコの臭いを吸い込みやすいです。
傷んだ髪には「ダメージホール」と呼ばれる無数の小さな穴が開いており、臭いの粒子が入り込みやすくなります。
即効性のある対処法は、ヘアフレグランスを活用することです。
ダメージホールに香り成分が先回りして入ることで、後からタバコの臭いが侵入するのをブロックしてくれます。
(100%の防御は出来ませんが、かなり効果的です)
- UVカット効果
- ツヤ出し効果
- 髪が揺れた時にさりげなく香る
3つの効果があって、香りのバリエーションも楽しめるヘアフレグランスはこちらです。
どれも定番人気の香水とよく似た香りがするので、気になる方は一度チェックしてみてください。
5.夕方になると、髪が油臭くなる原因は?
髪に付けたヘアオイルが酸化して、香料成分が揮発することで油臭さを感じやすくなります。
意外にも、シリコーンオイルが主成分のヘアオイルは油臭くなりにくく、天然オイルの方が酸化しやすくて油臭さを放ちやすいです。
近年人気の、天然オイルがベースになったヘアオイルやヘアバームは油臭くなりやすいので、気になる人は別の製品を検討してみましょう。
頭の臭いを発生させない、基本的な洗髪習慣5ステップ
最後に、髪と頭皮の臭いを未然に防ぐための洗髪テクニックをお伝えします。
髪の洗い方は想像以上に個人差が伴うので、あなたの洗髪方法は間違っていないかチェックしてみましょう。
①シャワー派の人でも、週1~2回は湯船に浸かって汗を出す
特に冬場などで、あまり汗をかかない日が続くと頭皮の汗腺(汗が出る穴)が機能低下します。
本来は汗と一緒に出ていく、頭皮の臭いの原因物質(ノネナールなど)が排出されにくくなり、少し汗をかいただけでも臭いを感じやすくなるのです。
なので普段はシャワーだけでサッと洗髪を済ませる人も、できれば週1~2回は湯船に浸かって、頭からジワっと汗が出るまでつかりましょう。
②シャンプーを泡立ててから「付け置き洗い」する
髪や頭皮の汚れが浮き上がる前にシャンプーを終えてしまうと、落としきれなかった皮脂汚れなどが臭いを発生させます。
ケア策はシャンプーを泡立てた後、2~3分置いてから頭皮をマッサージするように洗うことです。
こうすることで髪と頭皮の汚れが浮き上がり、シャンプーの洗浄成分が汚れをしっかりと包み込めるのです。
「脂戻り現象」の心配は不要
弁当箱を付け置き洗いした時に、汚れが再付着する「脂戻り現象」を起こすのは、石油が原料のプラスチック製品と合成洗剤の親和性が高すぎるからです。
浮き上がった皮脂汚れについては、シャンプーが持つ「汚れの再付着防止効果」が働きますので、心配要りません。
③トリートメントを、頭頂部から付けない
必要量以上のトリートメントを、頭頂部からベッタリと乗せていないでしょうか?
頭皮に残りすぎてしまったトリートメント成分は、頭皮にとって汚れと同じです。
髪の中間~毛先へ先にトリートメントを付けることで、根元に付くトリートメントの量は自然と少なくなります。
(ロングヘアの人は、くし通りを良くする目的で根元付近にも少量のトリートメントが必要です)
しかしながら、髪がきしむほどすすいでしまうと、トリートメントの効果が落ちてしまいます。
トリートメントは「付け方の度合い」「流し方の度合い」ともに、少々コツが必要です。
④洗髪後、なるべくすぐに髪を乾かす
髪の毛=繊維の一種なので、タオルに例えると分かりやすいです。
キレイに洗濯したタオルでも、生乾きのままで放置すると臭くなりますよね。
湿った髪と頭皮は、洗濯したタオルと同様に雑菌が大好きな頭皮環境。
したがって頭の臭い発生を阻止するためには、髪が短くても自然乾燥させずに、ドライヤーですぐ乾かすのが鉄則です。
⑤枕カバーを頻繁に取り換えるか、ズレにくいタオルを敷く
人間は1晩でコップ一杯分の汗をかくと言われており、汗腺(汗の孔)は頭皮にもたくさん存在します。
ところが「枕カバーの交換頻度」は人それぞれで、あまり交換しない人だと1か月以上に及ぶことも。
毎晩同じ枕カバーを使い続けると、たとえ洗髪方法が適切であっても頭が臭くなってしまいます。
どうしても枕カバーの交換が面倒に感じる人は、ズレにくいマイクロファイバータオルを枕の上に敷くのがおすすめです。
まとめ
頭皮の臭いを未然に防ぐためには、べたつきも乾燥トラブルもない良好な頭皮環境が不可欠です。
洗い残しが原因の場合はシャンプーの「付け置き洗い」による対処。
逆に頭皮の乾燥トラブルをケアするためには、今よりもマイルドな洗浄力のシャンプーが適しています。
あなたの頭皮の状態に合わせて、普段のシャンプー方法をもう一度見直してみましょう。
そして髪の臭いについては雑菌のほか、「水」や「ある種のパーマ液」など色々な原因が考えられます。
頭から漂う悪臭は、臭いの種類で対処法が全く変わるので、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。