サイエンスアクアとは髪に何をする?内容と髪質ケア効果・デメリットや酸熱トリートメントとの違いまで徹底解説!

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[su_box title=”「サイエンスアクア」についてのお悩み相談” box_color=”#937e8e”]私は自分の髪の毛を褒められるのが大好きなので髪の美しさには命をかけています!美容師さんも信頼している人にしか絶対に自分の髪をお任せしないし、普段からヘアケアは一切手を抜きません。

毎日時間も労力もしっかりとかけているので、美容師さんからも「いつも手入れのいい、きれいな髪だね」と褒められます。でも、もっと完璧な艶のある髪を目指しているので、髪に良いことならお金がかかっても、もっと何でもやりたいです。

最近インスタを眺めていると、「#髪質ケア」や「#艶髪」という半端なく綺麗な髪を見かけるので、とても気になっています。調べていると「サイエンスアクア」という名前の髪質ケアをよく見かけるのですが、他の髪質ケアと何が違うのでしょうか?

みんな「ストレートのロングヘアの投稿ばかり」なのも、なんだかちょっと引っかかります。私は絶対に髪のことで失敗したくないので、興味はすごくありますが、内容がよくわからないので慎重になっています。繰り返した場合のデメリットも気になるので、「サイエンスアクア」について分かることを教えてください。[/su_box]

髪に対する自己投資の意識が高くて、日々努力を怠らないその姿勢が大変すばらしいですね。そして安易に見栄えのいい宣伝に飛びつかず、内容をしっかり見極めようとする慎重さもさすがの一言です。

サイエンスアクアとは、「グリオキシル酸」という成分と「ヘアアイロンの高熱」を活用するタイプの髪質ケアですが、「アルカリ電解水イオン水とアミノ酸のみでかける」という特徴を持った髪質ケア技術。

簡潔に突き詰めるといろいろな酸熱トリートメントの成分が持つ効果と、従来からあるメニュートリートメントの効果をチャンポンしたような技法です。

今回は他の髪質ケア技術との違いと、効果・持ち・お値段、具体的な工程や想定できるデメリットまで網羅して徹底解説していきます。

目次

サイエンスアクアと他の髪質ケアの違いとは?

何をもって髪質ケアとするのかという「髪質ケアの定義」がないため、現在はそこら中に髪質ケアという名のメニューがあふれている状況です。なお現在「髪質ケア」と呼ばれている技術にはサイエンスアクアを含め大きく分けて4種類存在します。

①「グリオキシル酸」という成分を使った髪質ケア

この髪質ケアとは、美容業界の専門用語で「酸熱トリートメント(酸トリ)」と呼ばれています。有効成分のグリオキシル酸は、ヨーロッパでは5年以上前から使われていた成分です。

ところが日本で医薬部外品として厚生労働省の認可が下りたのは2016年なので、まだ使われ始めてから歴史の浅い成分。酸トリとはある種の「酸」を髪に作用させてから髪の水分を抜く(高温のヘアアイロンをあてる)ことで、髪の中にハリコシが出る新たな「何か」を作ります。

これを行うことで弱い縮毛矯正のように「髪のクセを伸ばす効果」と同時に、傷んで乾きにくくなってしまった髪が「早く乾く髪」に変わるのです。しかもブリーチで傷んでしまった髪でも「ハリコシが復活する」という効果まで得られるので、これには驚きます。

髪の手触りやツヤも大変良くなり、持続性も1〜2ヶ月と長いので、従来の美容室で行なっていたメニュートリートメントとは違った新しい価値のメニューです。ちなみにサイエンスアクアで使用する製品には「グリオキシル酸」「レブリン酸」「サリチル酸」が配合されています。

サイエンスアクアは酸熱トリートメントではない?

美容業界では現在「グリオキシル酸」「レブリン酸」「サリチル酸」その他「ある種の酸」が配合された製品とヘアアイロンを用いる技術のことが「酸熱トリートメント」だと定義さています。したがって酸熱トリートメント特有の成分が3種類配合されている上、仕上げに高熱のヘアアイロンも使うサイエンスアクアは「酸熱トリートメント」の一種です

ちなみにグリオキシル酸は別名ケラチンアミノ酸と呼ばれることもあり、サイエンスアクアで謳われる「アミノ酸と水の力だけで…」という内容の由来となっている模様。他にも「ある種の水の力で、髪のキューティクルの油分を柔らかくする」という独自の理論があり、精製水を電気分解した「アルカリ電解水」を用いるのが特徴の髪質ケアです。

②縮毛矯正の一種の髪質ケア

普通の縮毛矯正に使われるパーマ液はアルカリ性〜弱アルカリ性ですが、そういったパーマ液とストレートアイロンを用いる縮毛矯正は、髪に大きな負担がかかることがあります。しかし、中には中性〜酸性で作用する特性を持ったパーマ液があり、それを活用した縮毛矯正のことを「髪質ケアストレート」と呼ぶ美容室もあるのです。

③システムトリートメントを使った髪質ケア

これは従来からあった「美容室で、お金をかけてやってもらうトリートメント」のこと。別名「メニュートリートメント」と呼ばれているものです。髪の形そのものを変える力はありませんが、トリートメント成分が補給されることで髪のまとまりが良くなったり、艶が出るという効果が得られます。

中にはメニュー名だけを髪質ケアと変えて、内容は従来と同じにする美容室もあるので注意が必要です。望まない結果を招かないためにはその髪質ケアでどういう効果が得られるのか美容師に説明を求めましょう。

④ヘナを活用した髪質ケア

草木染めで有名な「ヘナ」に含まれるタンニンの働きで、ハリコシを復活させるという内容の髪質ケアです。持ちは良く、繰り返すことで効果が重ねがけされます。

しかしヘナ特有のにおいがあるのと髪がややゴワつくので、元の髪質次第で好みは分かれるでしょう。天然成分だけでできるのが特徴ですが、この髪質ケアにはクセを伸ばす力はありません。ヘナについての詳しいやり方はこちらの記事で解説しています。

サイエンスアクアの料金(値段)の相場は?

メニュー料金は美容室の裁量にゆだねられる部分ですが、サイエンスアクアのメニュー料金は通常のトリートメントよりも高い価格に設定されている傾向です。普通のトリートメントとは全く「別のもの」だという付加価値として高価格に設定されています。

気になるお値段は13,000円から27,000円以上までと、かなりの価格幅が見られます。なおメーカーの講習会を受けていなくても、美容室であればサイエンスアクアに使われる薬剤は購入可能です。

ちなみにサイエンスアクアで使われる薬剤はほぼ一つなので、どんな髪の人に使う場合でも作業工程には大きな差がありません。ですが強い髪のクセがあるケースでは、縮毛矯正とサイエンスアクアを「併用」する場合は時間も長く、料金も更に高くなります。

サイエンスアクアのメリットとデメリット

サイエンスアクア最大のメリットは、大変インスタ映えが良い「仕上がりの圧倒的な髪のツヤ」です!傷んだ髪は更に傷みやすくなるという悪循環を強制的にリセットできるのも非常に大きな恩恵と言えるでしょう。

ただし、サイエンスアクアのデメリットについてもしっかりと把握しておく必要があります。現在判明しているサイエンスアクアのデメリットは全部で9個。少し内容が長くなりますが、大事なことなので知らないと大損することになりかねません。

  1. 酸熱トリートメントと、基本的な仕組みが一緒
  2. 「アルカリ電解水」の安全性に疑問がある
  3. 皮膚にアレルギー反応を起こすことがある
  4. 料金が高い割に持ちが短い
  5. パーマは緩んでしまうし、パーマそのものが失敗しやすくなる
  6. 「美容室で仕上がった髪」と「自分で乾かした髪」が違う
  7. 繰り返し行った場合でも髪質ケア効果に限界がある
  8. サイエンスアクアをやった髪に縮毛矯正すると原因不明のチリチリ毛になることがある
  9. 使用する製品の「PHの幅」が極端に大きい

酸熱トリートメントと基本的な仕組みが一緒

他のグリオキシル酸を使う髪質ケアと最も大きく違うのは「アルカリ電解水を使用する」こと。ですが他にも数ある「酸と熱を使う髪質ケア」と比較した際、その一点を除いて大きな違いは確認できないのが現状です。

なお、酸と熱を活用するタイプの髪質ケアは主成分である「グリオキシル酸の濃度の違い」によって髪の毛のクセが伸びる度合い、仕上がりの髪質が変わると言われています。しかしサイエンスアクアに限らず肝心要となるグリオキシル酸の「配合量」はどの酸熱トリートメントメーカーも未公表です

「アルカリ電解水」の安全性に疑問がある

サイエンスアクアに使われる「アルカリ電解水」はPH11.1なのに対し、「お掃除用のアルカリ電解水」のPHは12。つまりサイエンスアクアに用いられるアルカリ電解水とお掃除用のアルカリ電解水では、PHにほとんど差がないということです。

しかし「お掃除用のアルカリ電解水」は皮脂を落としたり肌を傷めてしまう作用を持っていますし、目に入っても危険なもの。サイエンスアクアがこれだけ高いPHのアルカリ電解水で本当に安全なのかどうか、非常に疑問が残ります。

皮膚にアレルギー反応を起こすことがある

これはサイエンスアクアに限ったことではなく、他のグリオキシル酸を活用した髪質ケアにも共通する懸念点。私の担当したお客様でも後頭部がかぶれてしまった方がいたので、注意が必要です。

最近になってから、配合されている酸に感作性(アレルギー反応を起こす可能性)があるという情報が出回りました。髪質ケアと呼ばれる技法は未解明のことも多いジャンルなので、サイエンスアクアをやってみたい方は皮膚にアレルギー反応を起こすリスクがあることを知っておきましょう。

料金が高い割に持ちが短い

髪質ケアの中でも比較的メニュー料金が高いサイエンスアクアですが、髪のクセを伸ばす力・持ちともに、縮毛矯正には及びません。髪質ケア効果の持続期間は、元の髪質にもよりますが1か月~2か月です。

なおサイエンスアクアの髪質ケア効果を持続させるためには効果が落ちたら重ねがけして繰り返す必要があります。自分の髪質でサイエンスアクアがどのくらいの期間もつのか、担当美容師に見通しの説明を求めたほうが無難でしょう。

⑤パーマは緩んでしまうし、パーマそのものが失敗しやすくなる

販売しているディーラーさんの説明ではサイエンスアクアをパーマの直後に行っても「パーマが取れない」とのことでしたが実際に使うとパーマは緩んでしまいます。仕上げで髪に高温のストレートアイロンを当てるのは、あくまで髪から水分を抜くのが目的です。

とはいえ当然のことながら、高温のアイロン仕上げをした場合の方が熱のセット力による「その場でのツヤ」が得られるのがスタイリングの常識。パーマがかかりたての髪に200度のストレートアイロンをしっかりと通したら、パーマが緩んでしまうのも常識中の常識です。

仕上げにストレートアイロンを入れない方法でも効果はあるとされますが、ハリコシ・ツヤともに見劣りする結果になります。

サイエンスアクアをやった髪はパーマの失敗確立がアップ!

髪の中を未解明の人工物で満たすサイエンスアクアは、異質な髪を想定して作られていない普通のパーマ液の効き方が全く変わってしまいます。髪質ケアをしていないダメージ毛でも難しいパーマの失敗確立が更に上がってしまうのです。

「美容室で仕上がった髪」と「自分で乾かした髪」が違う

 

もともとクセの弱い人は、自分で髪を乾かしても仕上がりの髪はほぼまっすぐになります。しかし、髪質ケアで伸びきらないぐらいのクセがある髪の場合は、自分で乾かすと同じようなまっすぐにはならないです。

ドライヤーでいつも通りの乾かし方をしただけでは全く同じ仕上がりにはならないのが現実詐欺とは言えませんが、インスタ映え偏重なのは明白な事実でしょう。

もしも美容室でセットされたときに近い、鏡面のようなツヤツヤストレートヘアにしたい場合は自宅でのスタイリングもそれなりに頑張る必要があります。

繰り返し行った場合でも髪質ケア効果に限界がある

詳しくは酸熱トリートメントのまとめ記事でも解説していますが、サイエンスアクアで得られる髪質ケア効果には個人差を伴った効果の上限が存在します。あなたの髪質とサイエンスアクア(酸熱トリートメント系)の相性次第では、何度繰り返しサイエンスアクアを受けても期待した効果が感じられないこともあるのです。

⑧サイエンスアクアをやった髪に縮毛矯正すると原因不明のチリチリ毛になることがある

サイエンスアクアと同じメカニズムを使う髪質ケアは他にもいろいろな種類があるのですが、ストレートアイロン(高熱)で仕上げる髪質ケアの後で縮毛矯正を行うと、原因不明のチリチリザラザラとした壊滅的な髪になってしまうエラーが多数報告されています。

縮毛矯正をやっていた人が髪質ケアに切り替えて、クセの伸び方が物足りないからやっぱり縮毛矯正に戻すというケースは十分にあり得ます。短期間でサイエンスアクアを繰り返した髪ほどこのリスクは大きくなるので、弱いクセ毛の人は特に注意したい内容です。

使用する製品の「PHの幅」が極端に大きい

メインの製品として使われる「アミノアシッド」のPHは1.3の強酸性、アルカリ電解水のPHは11.1の強アルカリ性。これは化学的にかなり大きな振れ幅と分類されます。

少し専門的な話をすると、髪は「4つの結合」で成り立っているものですが、PHが関係するのは「イオン結合」と呼ばれる髪内部の結合です。

例えば美容室でパーマやカラーを行う場合、薬剤の影響による髪への負担を和らげるために「中和」と呼ばれる処理が行われます。その際あまり強い酸でアルカリを中和すると、髪に負担がかかって良くないというのが一般的な毛髪化学の理論です。

しかし、サイエンスアクアの施術における「強アルカリ→強酸」の極端なPHの振れ幅が髪に及ぼす影響についてはまだ不明な点が多くあります。そもそも、アルカリイオン水を使って「キューティクルの油を柔らかくする」というメーカーの独自理論は??です。

ビフォーアフター実証データの嘘と真実

メーカーは髪質ケアの実証データとして「電子顕微鏡による画像データ」を提示しています。しかし電子顕微鏡での実証を再現するなど、電子顕微鏡を保有しているごく一部の研究機関でしかできないことです

根元のクセが出ていないのは、本当はくせ毛ではないからだという公式サイトの解説もありましたが、ロングヘアは重力による影響を受けるため、根元のクセがゆるく見えます。むしろロングヘアで根元からの均一なうねりを出そうと思ったら、わざと根元に毛先よりも強いパーマをかける必要があるほどです。

したがって、たとえメーカー情報であっても視点を変えると真偽不明の「見えない部分」が存在します。失敗を回避したい場合、本当に信用できる人からの情報以外は信用しない方が無難でしょう。

⇒サイエンスアクアのメリットとデメリットに戻る

目的によって違うサイエンスアクアのやり方(手順)

通常のサイエンスアクアの工程は以下の通りです。

  1. アルカリ電解水を髪につけてアイロンで熱を入れ、洗い流す
  2. 「グリオキシル酸」配合のクリームをつけて温める
  3. 洗い流して乾かす
  4. 200度前後のアイロンで、髪の水分を飛ばして仕上げる

縮毛矯正を同時に行う場合の工程は以下の通りです。アイロンの作業工程が多いので、最低4時間前後は必要となります。

  1. アルカリ電解水を髪につけてアイロン加温ののち、洗い流す
  2. 縮毛矯正をする
  3. 「グリオキシル酸」配合のクリームをつけて温める
  4. 洗い流して乾かす
  5. 200度前後のアイロンで髪の水分を飛ばして仕上げる

まとめ

髪に本気の方からのご質問だったので、こちらも徹底的にお答えしました。

サイエンスアクアが「美髪を作る」のに間違いはないのかもしれませんが、美髪に「見える」髪を作るもののようにも感じます。

「ハリコシ&ツヤ」のメリットのみを感じる人もいますが、なぜか繰り返しても効果を感じられない人・効果の持ちが著しく短い人・髪が独特の硬さを帯びてくる人(私がそうでした)がいるのは事実です。

しっくりとくる表現ができないのですが、主成分のグリオキシル酸によって、別ものの髪に「変質」しているとも考えられます。(縮毛矯正で髪が変化する現象は「熱変性」「熱凝集」などと呼びます)

今のところ元の髪に戻す方法は確立されていないので、すでに物凄く傷んだ髪の人はリスクがあるかもしれません。

あなたが髪を安全にキレイにしたいなら、間違いなく安全な方法でのヘアケアを推奨します。

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この記事を監修した専門家

角谷滉一

  • ヘアケアマイスター1級
  • 健康管理士1級

都内の美容室『Re+(リプラス)』を運営する、管理美容師。美容と健康のスペシャリスト。専門知識のくわしさと洞察の深さに、業界内でも定評がある。

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